text:mogyuwaka:ndl_mogyuwaka14-27
文書の過去の版を表示しています。
蒙求和歌
第14第27話(227) 彦倫鶴怨
校訂本文
彦倫鶴怨
斉の彦倫は汝南の人なり。はじめは鍾山にこもり居て、後には剡の令たり。孔稚珪、旅行の路にて、かの草堂を見て、思ひ出づることやありけむ、北山移の文1)を作れり。その言葉にいはく「蕙張空兮夜鶴怨、山人去兮暁猿驚」。
山人の跡の庵に月更けてありあけの下に一声(ひとこゑ)の鶴(つる)
翻刻
彦(けむ)倫(りむ)鶴(かく)怨(ゑん) 斉の彦倫は汝南の人なりはしめは鍾山に/こもりゐて後には剡(ゑんの)令たり孔(こう)稚(ち)珪(けい) 旅行の路にてかの草堂をみて思ひいつることやありけむ 此山移の文をつくれりそのことはに云く蕙張空(くして)兮夜の鶴怨らみ山人去兮暁猿驚。 山人のあとのいをりに月ふけてありあけのしもにひとこえのつる/d2-48r
1)
北山移文。底本「北」は「此」。誤写とみて訂正。
text/mogyuwaka/ndl_mogyuwaka14-27.1522223222.txt.gz · 最終更新: 2018/03/28 16:47 by Satoshi Nakagawa