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text:mogyuwaka:ndl_mogyuwaka14-09 [2018/03/18 15:08] – 作成 Satoshi Nakagawa | text:mogyuwaka:ndl_mogyuwaka14-09 [2018/03/18 15:10] (現在) – [校訂本文] Satoshi Nakagawa | ||
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後漢の陳重は汝南人なり。獄吏として、死罪に行はるべきをも免してけり。「限りなく嬉し」と思ひて、百金を送りて報ひけり。 | 後漢の陳重は汝南人なり。獄吏として、死罪に行はるべきをも免してけり。「限りなく嬉し」と思ひて、百金を送りて報ひけり。 | ||
- | 陳重がいはく、「なんぢかあはれと見しゆゑばかりにて免しき。報ひ報ひを得むがためにはあらず」と言ひて、返してけり。罪人(つみびと)、陳重が家の承塵の上に置きて去りぬ。陳重、このことを知らず。 | + | 陳重がいはく、「なんぢがあはれと見しゆゑばかりにて免しき。報ひを得むがためにはあらず」と言ひて、返してけり。罪人(つみびと)、陳重が家の、承塵の上に置きて、去りぬ。陳重、このことを知らず。 |
- | 年を経て後に、屋(や)を毀(こぼ)ちけるときに、金を見出でてけり。主(ぬし)を尋ぬるに。「主、死にけり」と聞きて、ことの妻子のもとへ送りてけり。金を壁の中に差し挟みて返りぬとも言へり。 | + | 年を経て後に、屋(や)を毀(こぼ)ちけるときに、金を見出でてけり。主(ぬし)を尋ぬるに、「主、死にけり」と聞きて、ことの((「この」か。))妻子のもとへ送りてけり。金を壁の中に差し挟みて帰りぬとも言へり。 |
あはれてふ情けばかりを悟りても思ひ知れとは思はざりしを | あはれてふ情けばかりを悟りても思ひ知れとは思はざりしを |
text/mogyuwaka/ndl_mogyuwaka14-09.txt · 最終更新: 2018/03/18 15:10 by Satoshi Nakagawa