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蒙求和歌

第14第7話(207) 劉昆反火

校訂本文

劉昆反火 陳留人也

後漢の劉昆、字(あざな)は桓公といへり。

光武帝の御時、はじめ1)広陵2)の守として赴きけり。にはかに火出で来て、民家焼けけるに、劉昆、火に向ひて、頭(かしら)を叩きてうれへければ、風を返して、火を消ちてけり。

後に、弘農守移りにけり。弘農には、猛き虎多くして、人を害しけり。劉昆、境に入りてより、北の方、川を渡りて、長く去りにけり。

おほやけ、召して、侍中とす。「いかなる徳政あるゆゑぞ」と問ひ給ふに、「偶然(たまさかに)」と申せり。左右、その素直なることを笑ふ。をほやけ、「長者の言なり」とて、策に記されにけり。

  おもひけつ人の心に従ひて煙(けぶり)に曇る空もあれにき

翻刻

劉(リウ)昆(コン)反(ハン)火(クハ) 陳留人也 後漢ノ劉昆アサナハ桓公ト/イヘリ光武帝ノ御時家(ハシメ)
広淩ノ守トシテヲモムキケリニハカニ火イテキテ民家ヤ
ケケルニ劉昆火ニムカヒテカシラヲタタキテウレヘケレハ風ヲカ
ヘシテ火ヲケチテケリ後ニ弘農守ニウツリニケリ弘農ニハ
タケキ虎ヲホクシテ人ヲカイシケリ劉昆サカヰニイリテヨリ
キタノカタカハヲワタリテナカクサリニケリヲホヤケメシテ侍中
トスイカナル徳政アルユヘソトトヒタマフニ偶然(タマサカニ)ト申セリ左右
ソノスナヲナルコトヲワラフヲホヤケ長者之言ナリトテ策ニ
シルサレニケリ
        ヲモヒケツ人ノ心ニシタカヒテ
        ケフリニクモルソラモアレニキ/d2-42r
1)
底本「家」に「ハシメ」と傍書。次行の「民家」の目移りによる誤写とみられる。
2)
底本「広淩」。書陵部本により訂正
text/mogyuwaka/ndl_mogyuwaka14-07.txt · 最終更新: 2018/03/17 22:27 by Satoshi Nakagawa
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