text:mogyuwaka:ndl_mogyuwaka14-01
蒙求和歌
第14第1話(201) 燕昭築台
校訂本文
燕昭築台
燕昭王、位に即きて、身を賤しくし、幣1)を厚くして、賢を礼し、文を好み給へり。郭隗を召して、師とす。
昭王、国に才智の人のなきことを歎き憂へ給ふに、郭隗、申していはく、「君、われをだにも、もてなし崇(あが)め給はば、『才智を重くし給ふ君ぞ』と、あまねく聞こえて、ほかの国々より、われに勝(まさ)れらむ人、多く来たり集ふべき」よし申すに、心つきて、台を築きて、郭隗を重くし給ひけり。
時に、楽毅、魏より来たり。鄒衍、斉より来たり。劇辛、趙より来たれり。この地、久しく国を保つこと得たり。
思へただ人目まれなる山陰(やまかげ)に花まで得たる春の台(うてな)を
翻刻
燕昭築臺 〃〃王位につきてみをいやしくし/弊をあつくして賢を礼し文を このみ給へり郭隗をめして師とす昭王国に才智の人のなき ことをなけきうれへ給ふに郭隗申して云く君われをたにももて なしあかめ給はは才智ををもくし給ふ君そとあまねくきこ へてほかのくにくによりわれにまされらむ人をほくきたりつとふへ きよし申すに心つきて臺を築て郭隗ををもくし給ひけり 時に楽毅(き)魏よりきたり鄒す衍斉よりきたり劇辛/d2-39r
趙よりきたれりこのちひさしく国をたもつことえたり をもえたた人めまれなるやまかけにはなまてえたる春のうてなを/d2-39l
1)
「幣」は底本「弊」。原拠により訂正
text/mogyuwaka/ndl_mogyuwaka14-01.txt · 最終更新: 2018/03/13 13:48 by Satoshi Nakagawa