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蒙求和歌

第13第17話(197) 畢卓甕下

校訂本文

畢卓甕下

李部郎中畢卓は、晋代人なり。酒を好みて、職をも廃(すた)れけり。

夜、酔(ゑ)ひて、隣の人の家に、甕(もたひ)のほとりに行きて、酒を盗み飲むほどに、酒を預かれる者、「盗人(ぬすびと)入りにけり」と驚きて、縛りてけり。

明けゆくほどに、主(あるじ)、聞き付けて、行きて見るに、畢李部なりけり。あさましく、をかしく思えけり。すなはち解き免して、甕のもとにいざなひ行きて1)、酒飲み遊びて、はるかに時移りて帰しつ。

  主(ぬし)や誰(たれ)帰るやわが身心にもあらで迷ひし酔(ゑ)ひの里人(さとびと)

翻刻

畢(ヒチ)卓(タク)甕(ヰヨウ)下(カ) 李部(ホウ)郎中畢卓ハ晋代人也酒ヲコノ/ミテ職ヲモスタレケリヨルエイテトナリノ/d2-36l
人ノ家ニ甕(モタイノ)ホトリニユキテ酒ヲヌスミノムホトニ酒ヲアツカレル
モノヌス人イリニケリトヲトロキテシハリテケリアケユクホトニ
アルシキキツケテユキテミルニ畢李(リ)部ナリケリアサマシクヲカ
シクヲホヘケリスナハチトキユルシテモタイノモトニケサナシユキテ
サケノミアソヒテハルカニトキウツリテカヘシツ
  ヌシヤタレカヘルヤワカミココロニモアラテマヨヒシヱイノサト人/d2-37r
1)
「いざなひ行きて」は底本「ケサナシユキテ」。字形の類似による誤写とみて、書陵部本により訂正。
text/mogyuwaka/ndl_mogyuwaka13-17.txt · 最終更新: 2018/03/19 14:40 by Satoshi Nakagawa
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