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text:mogyuwaka:ndl_mogyuwaka10-11

蒙求和歌

第10第11話(141) 郤詵一枝

校訂本文

郤詵一枝

晋の郤詵、字(あざな)は広基、賢才、世に聞こえて、対策、天下に第一なり。

武帝、郤詵1)に、「なんぢが才の賢きこと、いかほどとか思ふ」と問ひ給へり。「臣、賢良を挙げて、対策、天下第一たり。しかはあれども、なほ、桂林の一枝・崑山の片玉のごとし」と申せり。詞場折桂、これより始まれり。

  一枝(ひとえだ)の月の桂と言ひなせど世に余りける光なりけり

翻刻

郄(ケキ)詵(シム)一枝  晋ノ郄詵アサナハ広基賢才ヨニキ/コエテ対策天下ニ第一ナリ武帝
郡詵ニ汝カ才ノカシコキ事イカホトトカ思フトトヒ給ヘリ
臣挙テ賢良ヲ対策為リ天下第一シカハアレトモナヲ
桂林ノ一枝昆山之片玉ノコトシト申セリ詞場折
桂コレヨリハシマレリ/d2-15r
    ヒトエタノ月ノカツラトイイナセト
    ヨニアマリケルヒカリナリケリ/d2-15l
1)
底本「郡詵」。文脈により訂正
text/mogyuwaka/ndl_mogyuwaka10-11.txt · 最終更新: 2018/02/05 22:47 by Satoshi Nakagawa