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蒙求和歌

第5第18話(88) 韓寿窃香

校訂本文

韓寿窃香

韓寿、容姿1)華麗なりき。女、ことに、「いかで」とのみ思へり。

時に、大尉賈充、顔良き女(むすめ)あり。韓寿に心を移してけり。つひに忍びて通ひけり。

時に、韓寿が家に人々来たり集まる時に、韓寿、ことに香(かう)ばしかりけり。おのおの、これをあやめ、咎むるに、外国より武帝に奉れる香物を、賈充、分かち賜はらせけるを、賈充が女(むすめ)に与へてけるを、韓寿、夜の間(ま)の移り香に、染みにけるなりけり。あらがふかたもなくて、日ごろの忍びごとも、これよりぞあらはれてける。

その後、女(むすめ)を韓寿が妻(め)になしてけり。

  なき名ぞといふべきものをわが袖に隠れぬものは夜半(よは)の移り香

翻刻

韓寿竊香
〃〃容恣華麗ナリキ女コトニイカテトノミ思ヘリ時ニ大尉(ヰ)
賈(カ)充カヲヨキムスメアリ韓寿ニココロヲウツシテケリツヒニ
シノヒテカヨヒケリ時ニ韓寿カ家ニ人々キタリアツマルトキニ韓
寿コトニカウハシカリケリヲノヲノコレヲアヤメトカムルニ外
国ヨリ武帝ニタテマツレル香物ヲ賈充ワカチタマハラセ/d1-44r
ケルヲ賈充カムスメニアタヘテケルヲ韓寿ヨノマノウツリ
カニシミニケルナリケリアラカフカタモナクテヒコロノシノヒコトモ
コレヨリソアラハレテケルソノノチムスメヲ韓寿カメニナシテケリ
  ナキナソトイフヘキモノヲワカソテニカクレヌモノハヨハノウツリカ/d1-44l
1)
「姿」は底本「恣」。諸本により訂正
text/mogyuwaka/ndl_mogyuwaka05-18.txt · 最終更新: 2017/12/07 17:55 by Satoshi Nakagawa
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