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text:mogyuwaka:ndl_mogyuwaka05-05 [2017/11/25 20:47] – 作成 Satoshi Nakagawa | text:mogyuwaka:ndl_mogyuwaka05-05 [2017/11/25 21:07] (現在) – Satoshi Nakagawa | ||
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無塩((底本「鍾離春カ」と傍書。この無塩は鍾離春を指すが、鍾無塩ともいうので、これで問題ない。以下同じ。))、漸台に侍りて、「殆哉(あやうきかなや)」と、四度(よたび)言へり。 | 無塩((底本「鍾離春カ」と傍書。この無塩は鍾離春を指すが、鍾無塩ともいうので、これで問題ない。以下同じ。))、漸台に侍りて、「殆哉(あやうきかなや)」と、四度(よたび)言へり。 | ||
- | 宣王、ゆゑを問ひ給ふに、申していはく、「西には秦と衛との憂へあり。南には強楚の仇(あだ)あり。外には三国の難あり。内には奸臣ありて、衆賢進まず。一旦に山崩れば、社稷静かならじ。これ一つ殆きなり。次に、漸臺五重(いつかさね)を飾るとて、万民疲れたり。これ二の殆きなり。次に、賢者、山林に隠れ、讒臣、左右にこはくして諫むる者なし。これ三の殆きなり。次に耽酒沈湎して、夜をもつて昼に継ぎ、女楽縦横して度無し。これ四の殆きなり」と申せり。 | + | 宣王、ゆゑを問ひ給ふに、申していはく、「西には、秦と衛との憂へあり。南には、強楚の仇(あだ)あり。外には、三国の難あり。内には奸臣ありて、衆賢進まず。一旦に山崩れば、社稷静かならじ。これ一つ殆(あやう)きなり。次に、漸臺五重(いつかさね)を飾るとて、万民疲れたり。これ二の殆きなり。次に、賢者、山林に隠れ、讒臣、左右にこはくして諫むる者なし。これ三の殆きなり。次に耽酒沈湎して、夜をもつて昼に継ぎ、女楽縦横して度無し。これ四の殆きなり」と申せり。 |
ここに、宣王、ことはりを思し知りて、無塩が言葉に従ひて、漸臺をとどめ、女楽をやめ、讒臣をしりぞけ、直諫(ちよくかん)をすすめ、四門を開きて、衆(もろ)の賢き人を入れて、世、治まりにけり。 | ここに、宣王、ことはりを思し知りて、無塩が言葉に従ひて、漸臺をとどめ、女楽をやめ、讒臣をしりぞけ、直諫(ちよくかん)をすすめ、四門を開きて、衆(もろ)の賢き人を入れて、世、治まりにけり。 | ||
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===== 翻刻 ===== | ===== 翻刻 ===== | ||
- | 無(ふ)塩如漆(しち) | + | 無(フ)塩如漆(シチ) |
- | 斉の鍾離春は無塩邑(いふ)の女(むすめ)也みにくきことたくひもなかりけ | + | 斉ノ鍾離春ハ無塩邑(イフ)ノ女(ムスメ)也ミニクキコトタクヒモナカリケ |
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- | 云り宣王ゆへを問ひ給に申て云く西には秦(しむ)と衛(えい)とのうれへあり南には | + | 云リ宣王ユヘヲ問ヒ給ニ申テ云ク西ニハ秦(シム)ト衛(エイ)トノウレヘアリ南ニハ |
- | 強(きやう)楚(その)あたあり外には三国の難なむ有り内には奸臣ありて衆賢すすます | + | 強(キヤウ)楚(ソノ)アタアリ外ニハ三国ノ難ナム有リ内ニハ奸臣アリテ衆賢ススマス |
- | 一旦(たむに)山崩(くつれ)社稷(しやしよく)しつかならしこれ一つ殆うき也次(つきに)漸臺(うてな)五重(いつかさねを) | + | 一旦(タムニ)山崩(クツレ)社稷(シヤシヨク)シツカナラシコレ一ツ殆ウキ也次(ツキニ)漸臺(ウテナ)五重(イツカサネヲ) |
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- | 讒臣左右にこはくして諫者(いさむるもの)なしこれ三の殆也次に躭(たむ)酒 | + | 讒臣左右ニコハクシテ諫者(イサムルモノ)ナシコレ三ノ殆也次ニ躭(タム)酒 |
- | 沈(ちむ)湎(めむして)以て夜を継(つぎ)昼るに女楽(かく)縦(しよう)横(いはう)無度これ四の殆也 | + | 沈(チム)湎(メムシテ)以テ夜ヲ継(ツギ)昼ルニ女楽(カク)縦(シヨウ)横(イハウ)無度コレ四ノ殆也 |
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text/mogyuwaka/ndl_mogyuwaka05-05.txt · 最終更新: 2017/11/25 21:07 by Satoshi Nakagawa