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蒙求和歌
第4第3話(58) 原憲桑枢 時雨
校訂本文
原憲桑枢 時雨1)
魯の原憲、家貧しくして、蓬(よもぎ)の戸のあだなりければ、桑の木を扉(とぼそ)とせり。板間には雨もたまらずして、床(とこ)も朽ちぬばかりになりけり。
常に絃歌に心を澄ましてのみぞ慰みける。
あととむる桑のとざしの夕暮れを時雨ならでは問ふ人ぞなき
翻刻
原憲桑樞 魯の原憲家まつしくしてよもきのとのあたなりけれは桑の木を とほそとせりいたまにはあめもたまらすしてとこもくちぬはかり になりけりつねに絃哥に心をすましてのみそなくさみける あととむるくはのとさしのいふくれをしくれならてはとふ人そなき/d1-30r
1)
底本「時」。目録では「時雨」。目録に従う。
text/mogyuwaka/ndl_mogyuwaka04-03.1510458707.txt.gz · 最終更新: 2017/11/12 12:51 by Satoshi Nakagawa