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蒙求和歌

第3第13話(48) 顔駟蹇剝 槿

校訂本文

顔駟蹇剝 槿

漢の武帝、昔、輦1)に乗りて、郎署に至りて、一人の老郎の、鬢・眉白きを見て、問ひ給ふに、「顏駟、文帝の時に郎たりき」と名乗り申しけり。

年、はるかにたけにけるまで、世にあはざるゆゑを、重ねて問はるるに、答へ申していはく、「文帝は文を好み給ひて、われ武を好む。景帝は見目(みめ)を好み給ひき。われ顔醜し。君は若きを好み給ふ。われ、すでに老いにたり。このゆゑに、三代あはざるなり」と言へり。

おほやけ、このことはりをあはれと思して、会稽の太守になされにけり。

蹇剝。蹇は、難なり険なり。剝は不利有欣少人長なり2)

  つひにかくはかなき3)秋にあひにけり世々(よよ)にしをれし夜半の槿(あさがほ)

翻刻

顔駟蹇剝 槿
漢ノ武帝昔輦(レムニ/コシ)ノリテ至リテ郎暑(シヨ)ニヒトリノ老郎ノ鬢眉白
ヲミテ問ヒ給ニ顏駟文帝ノ時ニ郎タリキトナノリ申ケリ
トシハルカニタケニケルマテヨニアハサルユエヲカサネテトハルルニ
コタエ申テ云ク文帝ハ文ヲコノミ給テ我レ武ヲコノム景帝ハ
ミメヲコノミ給ヒキ我カヲミニクシ君ハ若キヲコノミ給フ我レ
ステニヲイニタリコノ故ニ三代アハサルナリト云リヲホヤケ
コノコトハリヲアハレトヲホシテ会稽ノ太守ニナサレニケリ/d1-26l
蹇剝ハ蹇ハ難ナリ険ナリ剝ハ不利有欣少人長ナリ
ツイニカクハルサヘアキニアヒニケリヨヨニシヲレシヨハノアサカヲ/d1-27r
1)
底本の読み仮名に「れん」「こし」の二つが提示されている。
2)
注釈の混入したものか
3)
「はかなき」は底本「ハルサヘ」。書陵部本(桂宮本)により訂正。
text/mogyuwaka/ndl_mogyuwaka03-13.txt · 最終更新: 2017/11/03 23:05 by Satoshi Nakagawa
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