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蒙求和歌

第3第11話(46) 楊宝黄雀 露

校訂本文

楊宝黄雀 露

後漢の楊宝、七歳にして、花上の内に行きて、一の黄なる雀、傷をかぶりて、蟻につかまれたるを見る。楊宝、あはれみて、取りて、家に帰りぬ。

箱の中に入れて飼ふ。五穀を食はず。黄花の蘂を取りて、飼ひ養ひて、十日を過ぎて、傷癒えにけり。

あしたに去りて、夜半に来たりて、箱の底にとまることやや久し。後に、変じて黄衣少年1)の人となりて、白環一双を持ちて来たりて、楊宝に与へていはく、「この玉(たま)を貯へて、なんぢ、子孫を重ねて、三公となるべし」と言ひて去りぬ。また後にたがふことなし。

続斉諧記2)にいはく、「黄衣の童子、楊宝に向ひて、再拝していはく『われは西王母が使(つかひ)なり。君が仁愛、白環四枚を与ふるところなり』と言へり」

  わがかどの早稲田(わさだ)の雀立つあとの稲葉に置ける露の白玉

翻刻

楊宝黄雀 露
後漢ノ楊宝七歳ニシテ花上ノ内ニ行テ一ノ黄ナル雀キス
ヲカフリテアリニツカマレタルヲミル楊宝アハレミテトリ
テ家ニカヘリヌハコノナカニ入テカフ五穀ヲ不食クハ黄花ノ
蘂ヲトリテカヒヤシナヒテ十日ヲスキテキスイヘニケリ
アシタニサリテヨハニキタリテハコノソコニトマルコトヤヤヒサシ
後ニ変シテ黄(キナル)衣(キヌキタル)少年(ヲサナキ)ノ人トナリテ白環一双ヲモチ
テキタリテ楊宝ニアタヘテ云クコノタマヲタクハヘテ
ナムチ子孫ヲカサネテ三公トナルヘシト云テサリヌ又後ニタ
カフコトナシ続(シヨク)斉階記云黄衣ノ童子楊宝ニムカヒテ再
拝シテ云ク我ハ西王母カツカヒナリキミカ仁愛白環四枚ヲ
アタフルトコロナリト云ヘリ/d1-26r
  ワカカトノワサタノススメタツアトノイナハニヲケルツユノシラタマ/d1-26l
1)
底本の読み仮名によると、「黄なるきぬ着たるをさなき」。
2)
底本「続斉階記」。
text/mogyuwaka/ndl_mogyuwaka03-11.txt · 最終更新: 2017/11/01 22:57 by Satoshi Nakagawa
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