text:kohon:kohon070
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text:kohon:kohon070 [2014/06/28 02:54] – [校訂本文] Satoshi Nakagawa | text:kohon:kohon070 [2014/09/21 16:05] – [第70話 関寺の牛の間の事] Satoshi Nakagawa | ||
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+ | 古本説話集 | ||
====== 第70話 関寺の牛の間の事 ====== | ====== 第70話 関寺の牛の間の事 ====== | ||
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いまはむかしさゑもんの大夫平ののりきよか | いまはむかしさゑもんの大夫平ののりきよか | ||
ちちゑちこのかみそのくによりしろきうしを | ちちゑちこのかみそのくによりしろきうしを | ||
- | えたりとしころのりてありくほとにきよ水/B266 E136 | + | えたりとしころのりてありくほとにきよ水/b266 e136 |
なる僧にとらせて又関寺のひしりの関寺つ | なる僧にとらせて又関寺のひしりの関寺つ | ||
行 52: | 行 53: | ||
とひ給へはうしのいふやうをのれはかせう仏也しかる | とひ給へはうしのいふやうをのれはかせう仏也しかる | ||
をこのてらのほとけをたすけむとて牛になりたる | をこのてらのほとけをたすけむとて牛になりたる | ||
- | なりとみてゆめさめぬ心えぬゆめかなとおほして/B267 E136 | + | なりとみてゆめさめぬ心えぬゆめかなとおほして/b267 e136 |
僧一人をもちてせきてらに寺の木ひくうし | 僧一人をもちてせきてらに寺の木ひくうし | ||
行 63: | 行 64: | ||
牛をたつね給にみえすとひ給へはかひにやまのか | 牛をたつね給にみえすとひ給へはかひにやまのか | ||
たへつかはしつとりにつかはさむといひてわらわを | たへつかはしつとりにつかはさむといひてわらわを | ||
- | やりつ牛わらはにちかひて御たうのうしろのかたに/B268 E137 | + | やりつ牛わらはにちかひて御たうのうしろのかたに/b268 e137 |
きたりとりてゐてことの給へはとられす僧正のかた | きたりとりてゐてことの給へはとられす僧正のかた | ||
行 74: | 行 75: | ||
入道殿よりはしめたてまつりて殿はらかむたち | 入道殿よりはしめたてまつりて殿はらかむたち | ||
めまいらぬなきに小野宮右のをととのみそまいり | めまいらぬなきに小野宮右のをととのみそまいり | ||
- | 給はさりけるかん院のおほき大殿まいり給てけす/B269 E137 | + | 給はさりけるかん院のおほき大殿まいり給てけす/b269 e137 |
のやんことなくおほかりけれはくるまよりをりて | のやんことなくおほかりけれはくるまよりをりて | ||
行 85: | 行 86: | ||
をあはれとやおほしけむやをら山からをりきて | をあはれとやおほしけむやをら山からをりきて | ||
うしやのうちによりふしぬそのをりにおととくさ | うしやのうちによりふしぬそのをりにおととくさ | ||
- | をとりて牛にくわせ給うしことくさはくはぬ心に/B270 E138 | + | をとりて牛にくわせ給うしことくさはくはぬ心に/b270 e138 |
このくさをくくめは大殿なをしの袖をかほ | このくさをくくめは大殿なをしの袖をかほ | ||
行 96: | 行 97: | ||
いりて申にこのてらにもかかるゆめみてかたる人 | いりて申にこのてらにもかかるゆめみてかたる人 | ||
ありつあはれなることかなといひていみしうたうか | ありつあはれなることかなといひていみしうたうか | ||
- | り給その時によろつのひとききつきていよいよ/B271 E138 | + | り給その時によろつのひとききつきていよいよ/b271 e138 |
まいることみちのひまさりあふることなしその | まいることみちのひまさりあふることなしその | ||
行 107: | 行 108: | ||
ふくるしかりてふしてはをきふしてはをきしつつあせに | ふくるしかりてふしてはをきふしてはをきしつつあせに | ||
なりてたしかにみめくりしてうしやにかへりて | なりてたしかにみめくりしてうしやにかへりて | ||
- | きたまくらにふしてよつのあしをさしのへて/B272 E139 | + | きたまくらにふしてよつのあしをさしのへて/b272 e139 |
ねいるかことくしてしぬそのときにまいりあつま | ねいるかことくしてしぬそのときにまいりあつま | ||
行 118: | 行 119: | ||
たててくきぬきしてうゑにたうをつくるこの | たててくきぬきしてうゑにたうをつくるこの | ||
三井寺のほとけはみろくにおはすゐたけは三尺なり | 三井寺のほとけはみろくにおはすゐたけは三尺なり | ||
- | むかしのほとけはたうもこほれほとけもくちうせて/B273 E139 | + | むかしのほとけはたうもこほれほとけもくちうせて/b273 e139 |
昔の関寺のあとなといひて御めしはかりをみて | 昔の関寺のあとなといひて御めしはかりをみて | ||
行 129: | 行 130: | ||
かならすほとけになるいかにいはむや左右のたな | かならすほとけになるいかにいはむや左右のたな | ||
心をあはせてひたひにあてていちせんの心ををこ | 心をあはせてひたひにあてていちせんの心ををこ | ||
- | してをかむ人はたうらいのみろくの世にかならす/B274 E140 | + | してをかむ人はたうらいのみろくの世にかならす/b274 e140 |
むまるへし釈迦仏かへすかへすとき給ことなれは仏の | むまるへし釈迦仏かへすかへすとき給ことなれは仏の | ||
行 140: | 行 141: | ||
らひてつくらせ給へる僧都のおほせられしままに二 | らひてつくらせ給へる僧都のおほせられしままに二 | ||
かいにつくりてかみのこしから御かほはみえ給へは | かいにつくりてかみのこしから御かほはみえ給へは | ||
- | よろつの人をかみたてまつるやうやうつくるにさい木/B275 E140 | + | よろつの人をかみたてまつるやうやうつくるにさい木/b275 e140 |
なともはかはかしくもいてこす仏の御はくもを | なともはかはかしくもいてこす仏の御はくもを |
text/kohon/kohon070.txt · 最終更新: 2016/01/29 15:38 by Satoshi Nakagawa