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text:kohon:kohon068 [2014/06/22 19:23] – [校訂本文] Satoshi Nakagawatext:kohon:kohon068 [2014/06/22 19:24] – [校訂本文] Satoshi Nakagawa
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 「あないみじ」と思ひて、「夢見てはとくこそ出づなれ」とて、やがて出づるに、後ろにそよと鳴りて、人の気色、足音す。「あやし」と思ひて、見返りたれば、毘沙門(ひさもむ)の矛(ほこ((底本「ふく」))を持ちて、送り給ふなりけり。御顔をば外(ほか)ざまに向けて、矛して「とく行け」とおぼしくて、突かせ給ふと見て、急ぎて出でにけり。 「あないみじ」と思ひて、「夢見てはとくこそ出づなれ」とて、やがて出づるに、後ろにそよと鳴りて、人の気色、足音す。「あやし」と思ひて、見返りたれば、毘沙門(ひさもむ)の矛(ほこ((底本「ふく」))を持ちて、送り給ふなりけり。御顔をば外(ほか)ざまに向けて、矛して「とく行け」とおぼしくて、突かせ給ふと見て、急ぎて出でにけり。
  
-さてより後、たすずろに、おのづから「物を食はばや」と思へば、めでたくし据ゑて、きとは得ぬ。「手もあらばや」と思へば、すずろに出で来。衣(きぬ)も何も、「着む」と思へば、ただ思ふに従ひて様々に出で来ければ、せん方もなく、楽しき人にてをはしけり。+さてより後、たすずろに、おのづから「物を食はばや」と思へば、めでたくし据ゑて、きとは得ぬ。「手もあらばや」と思へば、すずろに出で来。衣(きぬ)も何も、「着む」と思へば、ただ思ふに従ひて様々に出で来ければ、せん方もなく、楽しき人にてをはしけり。
  
 さて、夢に見えさせ給ひしままに、そがままに参り給へりたりなるあり。白き米はまだ納めてありとぞ、言ひ伝へる。 さて、夢に見えさせ給ひしままに、そがままに参り給へりたりなるあり。白き米はまだ納めてありとぞ、言ひ伝へる。
text/kohon/kohon068.txt · 最終更新: 2014/09/21 13:31 by Satoshi Nakagawa