ユーザ用ツール

サイト用ツール


text:kohon:kohon059

差分

このページの2つのバージョン間の差分を表示します。

この比較画面へのリンク

両方とも前のリビジョン前のリビジョン
最新のリビジョン両方とも次のリビジョン
text:kohon:kohon059 [2014/06/07 19:43] – [校訂本文] Satoshi Nakagawatext:kohon:kohon059 [2014/06/08 12:21] – [校訂本文] Satoshi Nakagawa
行 17: 行 17:
 「これをばいかにすべき」なんど思ひて、引き広げて見て、「着るべき衣(きぬ)も無し。さは、これを衣にして着む」と思ふ心付きぬ。それを衣や袴にして着てける後、見と見る、男にまれ、女にまれ、あはれにいとほしき物に思はれて、すずろなる人の手より、物を多く得てけり。大事なる人の愁へをも、その衣を着て、知らぬやむごとなき所にも参りて申させければ、かならず成りけり。 「これをばいかにすべき」なんど思ひて、引き広げて見て、「着るべき衣(きぬ)も無し。さは、これを衣にして着む」と思ふ心付きぬ。それを衣や袴にして着てける後、見と見る、男にまれ、女にまれ、あはれにいとほしき物に思はれて、すずろなる人の手より、物を多く得てけり。大事なる人の愁へをも、その衣を着て、知らぬやむごとなき所にも参りて申させければ、かならず成りけり。
  
-かやうにしつつ、人の手より物を得、良き男にも思はれて、楽しくてぞありける。されば、その衣をば収めて、「かならせむ」と思ふ事の折にぞ、取り出でて着てける。かならずかなひけり。+かやうにしつつ、人の手より物を得、良き男にも思はれて、楽しくてぞありける。されば、その衣をば収めて、「かならせむ」と思ふ事の折にぞ、取り出でて着てける。かならずかなひけり。
  
 ===== 翻刻 ===== ===== 翻刻 =====
text/kohon/kohon059.txt · 最終更新: 2014/09/21 13:28 by Satoshi Nakagawa