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text:kohon:kohon050 [2014/09/17 00:04]
Satoshi Nakagawa [第50話 関寺の牛に依りて、和泉式部、和歌を詠む事]
text:kohon:kohon050 [2016/01/29 14:30] (現在)
Satoshi Nakagawa [校訂本文]
ライン 10: ライン 10:
 今は昔、逢坂のあなたに、関寺といふ所に、牛仏現れ給ひて、よろづの人参りて見奉りけり。 今は昔、逢坂のあなたに、関寺といふ所に、牛仏現れ給ひて、よろづの人参りて見奉りけり。
  
-大きなる堂を建てて、弥勒を造り据ゑ奉りける。くれ、えもいはぬ大木ども、ただこの牛一つして運ぶわざをなんしける。繋がねども行き去ることもせず。ささやかに見目もをかしげにて、例の牛の心ざまにも似ざりけり。+大きなる堂を建てて、弥勒を造り据ゑ奉りける。くれ、えもいはぬ大木ども、ただこの牛一つして運ぶわざをなんしける。繋がねども行き去ることもせず。ささやかに見目もをかしげにて、例の牛の心ざまにも似ざりけり。
  
-入道殿をはじめ参らせて、世の中におはしある人、参らぬはなかりけり。御門、東宮ぞえおはしまさざりける。+入道殿((藤原道長))をはじめ参らせて、世の中におはしある人、参らぬはなかりけり。御門((後一条天皇))、東宮((敦良親王・後朱雀天皇))ぞえおはしまさざりける。
  
 この牛、悩ましげにおはしければ、「うせ給ひぬべきか」とて、いよいよ参り来む。聖は御影像を描かせんと急ぎけり。西の京に、いと貴く行ふ聖の夢に見えける。「迦葉、仏道に涅槃のぞむなり。智者、貴く結縁せよ」とぞ見えたりける。いとど人参りけり。歌詠む人もありけり。 この牛、悩ましげにおはしければ、「うせ給ひぬべきか」とて、いよいよ参り来む。聖は御影像を描かせんと急ぎけり。西の京に、いと貴く行ふ聖の夢に見えける。「迦葉、仏道に涅槃のぞむなり。智者、貴く結縁せよ」とぞ見えたりける。いとど人参りけり。歌詠む人もありけり。


text/kohon/kohon050.txt · 最終更新: 2016/01/29 14:30 by Satoshi Nakagawa