text:kohon:kohon046
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text:kohon:kohon046 [2014/05/23 16:04] – 作成 Satoshi Nakagawa | text:kohon:kohon046 [2016/01/28 15:34] (現在) – [校訂本文] Satoshi Nakagawa | ||
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+ | 古本説話集 | ||
====== 第46話 小野宮殿の事 ====== | ====== 第46話 小野宮殿の事 ====== | ||
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===== 校訂本文 ===== | ===== 校訂本文 ===== | ||
- | 今は昔、小野宮殿の御子に、少将なる人おはしけり。佐理の大弐の親なり。はかなくわづらひて失せにければ、小野宮殿、泣きこがれ給ふ事限りなし。 | + | 今は昔、小野宮殿((藤原実頼))の御子に、少将なる人((藤原敦敏))おはしけり。佐理の大弐((藤原佐理))の親なり。はかなくわづらひて失せにければ、小野宮殿、泣きこがれ給ふ事限りなし。 |
- | さて、忌み果て方になるほどに、この少将の御乳母(めのと)の、陸奥国の守の妻になりて行きたりけるが、若君かく失せ給へりとも知らで、恋ひしく、わびしきよしを書きて、馬たてまつりたりけるに添へて、御文参らせたりける返り事、小野の宮殿ぞ書きて遣はしける。 | + | さて、忌み果て方になるほどに、この少将の御乳母(めのと)の、陸奥国の守の妻になりて行きたりけるが、「若君、かく失せ給へり」とも知らで、恋しく、わびしきよしを書きて、馬奉りたりけるに添へて、御文参らせたりける。 |
- | 「その人は、このほどに、はかなくわづらひて失せにしかば、ここには今まで生きたることをなん、心憂くおぼゆる」とばかり書きて、歌をなん詠みて遣はしける。 | + | 返り事、小野の宮殿ぞ書きて遣はしける。「その人は、このほどに、はかなくわづらひて失せにしかば、ここには今まで生きたることをなん、心憂く思ゆる」とばかり書きて、歌をなん詠みて遣はしける。 |
まだ知らぬ人もありけり東路(あづまぢ)に我も行きてぞ過ぐべかりける | まだ知らぬ人もありけり東路(あづまぢ)に我も行きてぞ過ぐべかりける | ||
- | と書きて遣はしけるを見て、乳母いかなる心地しけむ。 | + | と書きて遣はしけるを見て、乳母、いかなる心地しけむ。 |
===== 翻刻 ===== | ===== 翻刻 ===== |
text/kohon/kohon046.1400828642.txt.gz · 最終更新: 2014/05/23 16:04 by Satoshi Nakagawa