menu
更新停止
管理人の小部屋
ブログ最新記事
- 『打聞集』はじめました (2018/04/20 23:35)
- 源光行『蒙求和歌』の電子テキストを公開しました (2018/04/19 21:46)
- インラインスケートを試してみた(その2) (2018/04/12 00:29)
- 塙保己一記念館・生家・墓に行ってきた (2018/04/06 21:21)
- 河野外務大臣の名状しがたい篆書のようなもの (2018/04/03 18:23)
古本説話集
藤六事
藤六の事
今は昔、藤六1)といふ歌詠み、下衆(げす)の家に入りて、人もなかりける折を見つけて入りにけり。
鍋に煮ける物を、すくひ食ひけるほどに、家主(いゑあるじ)の女、水を汲みて大路の方より来てみれば、かくすくひ食へば、「いかに、かく人も無き所に入りて、かくはする物をば参るぞ。あなうたてや。藤六にこそいましけれ。さらば歌詠み給へ」と言ひければ、
昔より阿弥陀仏(あみだほとけ)のちかひにて煮ゆるものをばすくふとぞ知る
とこそ、詠みたりけれ。
いまはむかしとうろくといふ哥よみけす の家にいりてひともなかりけるをりをみ つけていりにけりなへににける物をすくひ/b72 e37
くひけるほとにいゑあるしの女みつをくみて おほちのかたよりきてみれはかくすくひくへは いかにかくひともなき所にいりてかくはする物をは まいるそあなうたてやとうろくにこそいま しけれさらは哥よみ給へといひけれは むかしよりあみたほとけのちかひにて にゆるものをはすくふとそしる とこそよみたりけれ/b73 e37