text:kohon:kohon021
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text:kohon:kohon021 [2014/09/15 21:46] – [第21話 伯の母、仏事の事] Satoshi Nakagawa | text:kohon:kohon021 [2016/01/21 12:10] (現在) – [校訂本文] Satoshi Nakagawa | ||
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===== 校訂本文 ===== | ===== 校訂本文 ===== | ||
- | 今は昔、伯の母、仏供養しけり。永縁僧正を請じて、さまざま物どもを奉る中に、紫の薄様に包みたる物あり。開けて見れば | + | 今は昔、伯の母((神祇伯康資王の母))、仏供養しけり。永縁僧正を請じて、さまざま物どもを奉る中に、紫の薄様に包みたる物あり。開けて見れば |
朽ちにける長柄の橋の橋柱法(のり)のためにも渡しつる哉 | 朽ちにける長柄の橋の橋柱法(のり)のためにも渡しつる哉 | ||
行 14: | 行 14: | ||
長柄の橋の切れなりけり。 | 長柄の橋の切れなりけり。 | ||
- | またの日、又つとめて、若狭の阿闍梨隆源といふ人、歌詠みなり。来たり。「あはれ、この事聞きたるよ」と、僧正おぼすに、懐(ふところ)より名簿(みやうぶ)を引き出でて、奉る。「この橋の切れ給はらむ」と申す。「かばかりの貴重(きてう)の物はいかでか」とて、「何しか取らせ給はん。口惜しく」とて、帰りにけり。 | + | またの日、またつとめて、若狭の阿闍梨隆源といふ人、歌詠みなり。来たり。「あはれ、このこと聞きたるよ」と、僧正思すに、懐(ふところ)より名簿(みやうぶ)を引き出でて奉る。「この橋の切れ給はらむ」と申す。「かばかりの貴重(きてう)の物はいかでか」とて、「何しか取らせ給はん。口惜しく」とて、帰りにけり。 |
すきずきしく、あはれなることどもなり。 | すきずきしく、あはれなることどもなり。 |
text/kohon/kohon021.txt · 最終更新: 2016/01/21 12:10 by Satoshi Nakagawa