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text:kohon:kohon005 [2016/01/20 14:23]
Satoshi Nakagawa [第5話 赤染衛門の事の事]
text:kohon:kohon005 [2016/01/20 14:31] (現在)
Satoshi Nakagawa [校訂本文]
ライン 8: ライン 8:
 ===== 校訂本文 ===== ===== 校訂本文 =====
  
-今は昔、赤染衛門といふ歌詠みは、時望といひけるが女(むすめ)、入道殿に候ひけるが、心ならず匡衡を男にして、いと若き博士にてありけるを、事にふれてのがひ、厭ひ、あらじとしけれど、男はあやにくに心ざし深くゆく。殿の御供に住吉へ参りて詠みて起こせたる。+今は昔、赤染衛門といふ歌詠みは、時望((赤染時用))といひけるが女(むすめ)、入道殿((藤原道長))に候ひけるが、心ならず匡衡((大江匡衡))を男にして、いと若き博士にてありけるを、事にふれてのがひ、厭ひ、あらじとしけれど、男はあやにくに心ざし深くなりゆく。殿の御供に住吉へ参りて詠みて起こせたる。
  
   恋しきに難波の事もおぼほえず誰住吉のまつといひけん   恋しきに難波の事もおぼほえず誰住吉のまつといひけん
ライン 18: ライン 18:
 会ふ事の有難かりければ、思ひわびて稲荷の神主のもとへ通ひなどしけれど、心にも入らざりけり。「すぎむらならば」など詠みたるは、そのをりの事なるべし。 会ふ事の有難かりければ、思ひわびて稲荷の神主のもとへ通ひなどしけれど、心にも入らざりけり。「すぎむらならば」など詠みたるは、そのをりの事なるべし。
  
-匡衡、尾張の守などになりにければ、猛(まう)になりて、え厭ひも果てず、挙周(たかちか)なと産みてければ、幸い人といはれけり。+匡衡、尾張の守などになりにければ、猛(まう)になりて、え厭ひも果てず、挙周(たかちか)((大江挙周))なと産みてければ、幸い人といはれけり。
  
 尾張へ具して下る道にて、守一人ごつ。 尾張へ具して下る道にて、守一人ごつ。
ライン 28: ライン 28:
   宮こ出でて今日九日になりにけり   宮こ出でて今日九日になりにけり
  
-挙周、望む事有けるに。申文の奥に書きて、鷹司殿へ参らせたる+挙周、望む事有けるに。申文の奥に書きて、鷹司殿((藤原道長室源倫子))へ参らせたる
  
   思へ君頭の雪を払ひつつ消えぬ先にと急ぐ心を   思へ君頭の雪を払ひつつ消えぬ先にと急ぐ心を
  
-入道殿、御覧じて、いみしくあはれがらせ給ひて、和泉には急ぎなさせ給たりけるとぞ。+入道殿((藤原道長))、御覧じて、いみしくあはれがらせ給ひて、和泉には急ぎなさせ給たりけるとぞ。
  
 和泉へ下る道にて、挙周、例ならず大事にて、限りになりたりければ、 和泉へ下る道にて、挙周、例ならず大事にて、限りになりたりければ、


text/kohon/kohon005.txt · 最終更新: 2016/01/20 14:31 by Satoshi Nakagawa