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唐物語

第26話 潘安仁という人ありけり。姿有様たぐひなくなまめしく・・・

校訂本文

昔、潘安仁という人ありけり。姿、有様、たぐひなくなまめしく清げにて、その形は玉(たま)なとのよく光る様にぞ見えける。

秋のあはれを述べて賦に作り、事に触れて情け深くやさしければ、世の中にありける女、さながら、名なを聞き形を見るより、下燃えの煙(けぶり)絶ゆるときなかりけり。

車に乗りて道を行くに、道に会ひける女、思ひのあまりにや、橘の枝を取りて、車の内に投げ入れけり。人ごとにかくしければ、果物、車に余りにけり。

  巡り会ふこともやあると唐車(からぐるま)つみ余るまでなれる橘

翻刻

むかし潘安仁(ハンアンシン)という人ありけりすかたありさま
たくひなくなまめしくきよけにてそのかたち
はたまなとのよくひかる様にそみえける秋の
あはれをのへて賦につくりことにふれてなさけ
ふかくやさしけれは世中にありける女さなから
なをききかたちをみるよりしたもえのけ
ふりたゆる時なかりけり車にのりてみちを
ゆくにみちにあひける女思のあまりにやたち
はなのえたをとりて車のうちになけいれけり
人ことにかくしけれはくた物くるまにあまり/m431
にけり
  めくりあふこともやあるとからくるま
  つみあまるまてなれるたちはな/m432
text/kara/m_kara026.txt · 最終更新: 2014/12/04 15:58 by Satoshi Nakagawa
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