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text:k_konjaku:k_konjaku9-33 [2017/02/25 13:55] – 作成 Satoshi Nakagawatext:k_konjaku:k_konjaku9-33 [2017/02/25 13:56] (現在) – [巻9第33話 震旦大史令傅奕行冥途語 第卅三] Satoshi Nakagawa
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 而るに、此の人、心に仏法を信ぜず。常に僧尼を敬はず。或る時には、石の仏像を見付ては、塼・瓦の用とす。而るに、貞観十四年と云ふ年の秋、傅奕、暴に病を受て死ぬ。 而るに、此の人、心に仏法を信ぜず。常に僧尼を敬はず。或る時には、石の仏像を見付ては、塼・瓦の用とす。而るに、貞観十四年と云ふ年の秋、傅奕、暴に病を受て死ぬ。
  
-傅奕、初め大史令として、仁均と云ふ人、薛賾と云ふ人と共に、大史令として有る間、薛賾、先に仁均に、銭五千を負せたり。未だ其れを償はずして、仁均、死ぬ。其の後、薛賾、夢に仁均を見る。物語する事、生たりし時の如し。薛賾、先きに負せたる銭の事を問て云く、「此れ、誰にか付たる」と。仁均が云く、「泥人(『冥報記』など「泥犂人」。「泥犂」は地獄の意。))に付くべし」。薛賾が云く、「泥人と云は、此れ誰人ぞ」と。仁均が云く、「泥人と云は、太史府の令也」と云ふと見て、夢覚ぬ。+傅奕、初め大史令として、仁均と云ふ人、薛賾と云ふ人と共に、大史令として有る間、薛賾、先に仁均に、銭五千を負せたり。未だ其れを償はずして、仁均、死ぬ。其の後、薛賾、夢に仁均を見る。物語する事、生たりし時の如し。薛賾、先きに負せたる銭の事を問て云く、「此れ、誰にか付たる」と。仁均が云く、「泥人((『冥報記』など「泥犂人」。「泥犂」は地獄の意。))に付くべし」。薛賾が云く、「泥人と云は、此れ誰人ぞ」と。仁均が云く、「泥人と云は、太史府の令也」と云ふと見て、夢覚ぬ。
  
 此の夜、少府監、馮の長命と云ふ人、亦夢に見る。我れも一所に有て、前に死せる人を見る。長命、問て云く、「経の文に、罪福の報を説く。未だ其の事を知らず。是、定て有りや」と。其の人、答て云く、「此れ、皆有り」と。亦、問ふ、「経の文に罪を説く、傅奕が如くは、生たりし時、仏法を信ぜず。死て後、何なる罪をか受べき」と。其の人、答て云く、「罪福、定て其の報有り」と云ふと見て、夢覚ぬ。其の後、傅奕、既に越州に配せられて、泥人と成る。 此の夜、少府監、馮の長命と云ふ人、亦夢に見る。我れも一所に有て、前に死せる人を見る。長命、問て云く、「経の文に、罪福の報を説く。未だ其の事を知らず。是、定て有りや」と。其の人、答て云く、「此れ、皆有り」と。亦、問ふ、「経の文に罪を説く、傅奕が如くは、生たりし時、仏法を信ぜず。死て後、何なる罪をか受べき」と。其の人、答て云く、「罪福、定て其の報有り」と云ふと見て、夢覚ぬ。其の後、傅奕、既に越州に配せられて、泥人と成る。
text/k_konjaku/k_konjaku9-33.txt · 最終更新: 2017/02/25 13:56 by Satoshi Nakagawa