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text:k_konjaku:k_konjaku6-48 [2016/11/12 19:29] – 作成 Satoshi Nakagawa | text:k_konjaku:k_konjaku6-48 [2016/11/12 19:39] (現在) – [巻6第48話 震旦童児聞寿命経延命語 第四十八] Satoshi Nakagawa | ||
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即ち、相師驚て、怱(いそ)ぎ出でて見るに、一人の童児有り。形貌端正也。相師、此れを見て、問て云く、「汝が年、幾(いく)らぞ」と。童児、答て云く、「年十三也」と。相師、哀みの心深しと云へども、云ふ事無くして、門の内に入ぬ。 | 即ち、相師驚て、怱(いそ)ぎ出でて見るに、一人の童児有り。形貌端正也。相師、此れを見て、問て云く、「汝が年、幾(いく)らぞ」と。童児、答て云く、「年十三也」と。相師、哀みの心深しと云へども、云ふ事無くして、門の内に入ぬ。 | ||
- | 明る日、其の辺にして、彼の童児に値ぬ。其の年、既に延て、七十余也。相師、「奇異也」と思て、童児に問て云く、「昨日汝を見しに、命、亦昨日許也を、然るに、今日見るに、命、既に七十余也。何なる善根有て、命を延べたるぞ」と。童児、答て云く、「我れ、今夜、僧房に寄宿したりつ。而るに、僧有て、寿命経を転読するを聞きつ。更に外の事無し」と。僧師、讃(ほめ)て云く、「此れ、仏法の不思議の力也。浅き智を以て、量るべからず」と云て去にけり。 | + | 明る日、其の辺にして、彼の童児に値ぬ。其の年、既に延て、七十余也。相師、「奇異也」と思て、童児に問て云く、「昨日汝を見しに、命、亦昨日許也を、然るに、今日見るに、命、既に七十余也。何なる善根有て、命を延べたるぞ」と。童児、答て云く、「我れ、今夜、僧房に寄宿したりつ。而るに、僧有て、寿命経((金剛陀羅尼寿命経))を転読するを聞きつ。更に外の事無し」と。僧師、讃(ほめ)て云く、「此れ、仏法の不思議の力也。浅き智を以て、量るべからず」と云て去にけり。 |
此れを以て思ふに、実に、心に非ず経を誦するを聞きたる功徳だに此の如し。何況や、心を発して書写し、受持せらむ人の功徳、思遣るべしとなむ、語り伝へたるとや。 | 此れを以て思ふに、実に、心に非ず経を誦するを聞きたる功徳だに此の如し。何況や、心を発して書写し、受持せらむ人の功徳、思遣るべしとなむ、語り伝へたるとや。 | ||
text/k_konjaku/k_konjaku6-48.txt · 最終更新: 2016/11/12 19:39 by Satoshi Nakagawa