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text:k_konjaku:k_konjaku4-12 [2016/08/03 23:56] – 作成 Satoshi Nakagawa | text:k_konjaku:k_konjaku4-12 [2016/08/04 00:07] (現在) – [巻4第12話 羅漢比丘教国王太子死語 第十二] Satoshi Nakagawa | ||
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今昔、天竺に一の小国有り。其の国(く)に、本より神をのみ信じて、仏法を信ぜず。 | 今昔、天竺に一の小国有り。其の国(く)に、本より神をのみ信じて、仏法を信ぜず。 | ||
- | 而る間、其の国の王、一人の皇子有り。亦、小無し。国王、此れを愛する事、玉の如し。太子、十余歳に成る程に、身に重き病を受たり。医療を以て治するにも、𡀍((口へんに愈))(いゆ)る事無し。陰陽を以て祈ると云へども、験(しる)し無し。此れに依て、父の王、昼夜に歎き悲むで、年月を送るに、弥よ太子の病増(まさり)て、𡀍((口へんに愈))る事無し。 | + | 而る間、其の国の王、一人の皇子有り。亦、子無し。国王、此れを愛する事、玉の如し。太子、十余歳に成る程に、身に重き病を受たり。医療を以て治するにも、𡀍((口へんに愈))(いゆ)る事無し。陰陽を以て祈ると云へども、験(しる)し無し。此れに依て、父の王、昼夜に歎き悲むで、年月を送るに、弥よ太子の病増(まさり)て、𡀍((口へんに愈))る事無し。 |
国王、此れを思ひ繚(わづらひ)て、此の国に上古従り崇め祭る神在ます。国王、其の所に詣て、自ら祈り請ふ。諸の財宝を運て山に成し、馬・牛・羊等を谷に満て、「太子の病を𡀍((口へんに愈))し給へ」と申す。宮司・巫(かんなぎ)、恣に取り、心に任せて万に飽き満ぬ。 | 国王、此れを思ひ繚(わづらひ)て、此の国に上古従り崇め祭る神在ます。国王、其の所に詣て、自ら祈り請ふ。諸の財宝を運て山に成し、馬・牛・羊等を谷に満て、「太子の病を𡀍((口へんに愈))し給へ」と申す。宮司・巫(かんなぎ)、恣に取り、心に任せて万に飽き満ぬ。 |
text/k_konjaku/k_konjaku4-12.txt · 最終更新: 2016/08/04 00:07 by Satoshi Nakagawa