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text:k_konjaku:k_konjaku24-51 [2014/10/06 02:55] – 作成 Satoshi Nakagawatext:k_konjaku:k_konjaku24-51 [2020/01/18 17:20] (現在) Satoshi Nakagawa
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 ====== 巻24第51話 大江匡衡妻赤染読和歌語 第五十一 ====== ====== 巻24第51話 大江匡衡妻赤染読和歌語 第五十一 ======
  
-今昔、大江匡衡が妻は赤染の時望と云ける人の娘也。其の腹に挙周をば産ませたる也。其の挙周、勢長して、文章の道に止事無かりければ、公に仕りて、遂に和泉守に成にけり。+今昔、大江匡衡が妻((赤染衛門))は赤染の時望((赤染時望))と云ける人の娘也。其の腹に挙周((大江挙周))をば産ませたる也。其の挙周、勢長して、文章の道に止事無かりければ、公に仕りて、遂に和泉守に成にけり。
  
 其の国に下けるに、母の赤染をも具して行たりけるに、挙周思懸けず身に病受て、日来煩けるに、重く成にければ、母の赤染、歎き悲て、思ひ遣る方無かりければ、住吉明神に御幣(みてぐら)を奉らしめて、挙周が病を祈けるに、其の御幣の串に書付て奉たりける、 其の国に下けるに、母の赤染をも具して行たりけるに、挙周思懸けず身に病受て、日来煩けるに、重く成にければ、母の赤染、歎き悲て、思ひ遣る方無かりければ、住吉明神に御幣(みてぐら)を奉らしめて、挙周が病を祈けるに、其の御幣の串に書付て奉たりける、
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 と。其の夜、遂に愈(いえ)にけり。 と。其の夜、遂に愈(いえ)にけり。
  
-亦、此の挙周が官望ける時に、母の赤染、鷹司殿に此なむ読て奉たりける、+亦、此の挙周が官望ける時に、母の赤染、鷹司殿((源倫子))に此なむ読て奉たりける、
  
   おもへきみかしらの雪をうちはらひきえぬさきにといそぐ心を   おもへきみかしらの雪をうちはらひきえぬさきにといそぐ心を
  
-と。御堂、此の歌を御覧じて、極く哀がらせ給て、此く和泉守には成させ給へる也けり。+と。御堂((藤原道長))、此の歌を御覧じて、極く哀がらせ給て、此く和泉守には成させ給へる也けり。
  
 亦、此の赤染、夫の匡衡が稲荷の禰宜が娘を語ひて、愛し思ひける間、赤染が許に久く来たらざりければ、赤染、此なむ読て、稲荷の禰宜が家に、匡衡が有ける時に遣ける、 亦、此の赤染、夫の匡衡が稲荷の禰宜が娘を語ひて、愛し思ひける間、赤染が許に久く来たらざりければ、赤染、此なむ読て、稲荷の禰宜が家に、匡衡が有ける時に遣ける、
text/k_konjaku/k_konjaku24-51.1412531700.txt.gz · 最終更新: 2014/10/06 02:55 by Satoshi Nakagawa