text:k_konjaku:k_konjaku24-39
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text:k_konjaku:k_konjaku24-39 [2014/09/28 16:05] – Satoshi Nakagawa | text:k_konjaku:k_konjaku24-39 [2019/12/22 18:18] (現在) – [巻24第39話 藤原義孝朝臣死後読和歌語 第卅九] Satoshi Nakagawa | ||
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====== 巻24第39話 藤原義孝朝臣死後読和歌語 第卅九 ====== | ====== 巻24第39話 藤原義孝朝臣死後読和歌語 第卅九 ====== | ||
- | 今昔、右近少将藤原義孝と云ふ人有けり。此れは一条の摂政殿の御子也。形ち有様より始て、心ばへ身の才、皆人に勝れてなむ有ける。亦、道心なむ深かりけるに、糸若くして失にければ、親き人々、歎き悲けれども甲斐無くて止にけり。 | + | 今昔、右近少将藤原義孝と云ふ人有けり。此れは一条の摂政殿((藤原伊尹))の御子也。形ち有様より始て、心ばへ身の才、皆人に勝れてなむ有ける。亦、道心なむ深かりけるに、糸若くして失にければ、親き人々、歎き悲けれども甲斐無くて止にけり。 |
而るに、失て十日許を経て賀縁と云ふ僧の夢に、少将、極く心地吉気(よげ)にて笛を吹と見る程に、只口を鳴すになむ有ける。賀縁、此れを見て云く、「母の此(か)許り恋給ふを、何(いか)に此く心地吉気にては御座するぞ」と云ければ、少将、答ふる事は無くて、此なむ読ける。 | 而るに、失て十日許を経て賀縁と云ふ僧の夢に、少将、極く心地吉気(よげ)にて笛を吹と見る程に、只口を鳴すになむ有ける。賀縁、此れを見て云く、「母の此(か)許り恋給ふを、何(いか)に此く心地吉気にては御座するぞ」と云ければ、少将、答ふる事は無くて、此なむ読ける。 |
text/k_konjaku/k_konjaku24-39.txt · 最終更新: 2019/12/22 18:18 by Satoshi Nakagawa