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text:k_konjaku:k_konjaku24-34 [2014/09/21 13:14] – 作成 Satoshi Nakagawatext:k_konjaku:k_konjaku24-34 [2019/12/22 13:26] (現在) – [巻24第34話 公任大納言於白川家読和歌語 第卅四] Satoshi Nakagawa
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 ====== 巻24第34話 公任大納言於白川家読和歌語 第卅四 ====== ====== 巻24第34話 公任大納言於白川家読和歌語 第卅四 ======
  
-今昔、公任大納言、春比、白川の家に居給ひける時、然るべき殿上人四五人許行て、花のおもしろ((底本、言偏に慈))く候へば、「見に参つる也」と云ければ、酒など勧めて遊びけるに、大納言なむ、+今昔、公任大納言((藤原公任))、春比、白川の家に居給ひける時、然るべき殿上人四五人許行て、花のおもしろ((底本、言偏に慈))く候へば、「見に参つる也」と云ければ、酒など勧めて遊びけるに、大納言なむ、
  
   春きてぞ人もとひけるやまざとは花こそやどのあるじなりけれ   春きてぞ人もとひけるやまざとは花こそやどのあるじなりけれ
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 殿上人共、此れを聞て、極く目出て読けれども、此れに准(なぞらふる)にも無かりけり。 殿上人共、此れを聞て、極く目出て読けれども、此れに准(なぞらふる)にも無かりけり。
  
-亦、此の大納言、の三条の大き大臣失せ給たりけるに、九月の中旬の比、月の極く明かかりけるに、夜更け行く程に、空を詠めて居たりけるに、侍の方に、「極く明なる月かな」と人の云けるを聞て、大納言、+亦、此の大納言、の三条の大き大臣((藤原忠頼))失せ給たりけるに、九月の中旬の比、月の極く明かかりけるに、夜更け行く程に、空を詠めて居たりけるに、侍の方に、「極く明なる月かな」と人の云けるを聞て、大納言、
  
   いにしへをこふるなみだにくらされておぼろにみゆるあきの夜の月   いにしへをこふるなみだにくらされておぼろにみゆるあきの夜の月
  
-と読たりける。+なむ読たりける。
  
 亦、此の大納言、九月許に月の雲隠たりけるを見て読ける、 亦、此の大納言、九月許に月の雲隠たりけるを見て読ける、
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 と。 と。
  
-亦、此の大納言の御娘は二条殿の御北方にて御座けるに、雪降ける朝(つとめて)、其の御許に奉けり。+亦、此の大納言の御娘は二条殿((藤原教通))の御北方にて御座けるに、雪降ける朝(つとめて)、其の御許に奉けり。
  
   ふるゆきはとしとともにぞつもりけるいづれかたかくなりまさるらむ   ふるゆきはとしとともにぞつもりけるいづれかたかくなりまさるらむ
行 46: 行 46:
 と。 と。
  
-亦、関白殿の大饗行はせ給ける屏風に、山里に紅葉見に人の来たる所を絵に書たるに、此なむ読ける、+亦、関白殿((藤原頼通))の大饗行はせ給ける屏風に、山里に紅葉見に人の来たる所を絵に書たるに、此なむ読ける、
  
   山里のもみぢみにとかおもふらむちりはててこそとふべかりけれ   山里のもみぢみにとかおもふらむちりはててこそとふべかりけれ
text/k_konjaku/k_konjaku24-34.txt · 最終更新: 2019/12/22 13:26 by Satoshi Nakagawa