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今昔物語集

巻2第21話 天人聞法得法眼浄語 第(廿一)

今昔、仏1)、祇洹精舎2)に在ける時に、一人の天人、来下たり。

仏、此の天人を見給て、四諦の法を説て聞かしめ給ふ。天人、此の法を聞くに依て、忽に法眼浄を得たり。

其の時に、阿難、仏に白して言さく、「何の故有て、此の天人に四諦の法を説聞かしめ給て、法眼浄を得しめ給ふぞ」と。

仏、阿難に告て宣はく、「此の天人は、須達長者、此の精舎を造りし間に、一人の奴婢を以て、寺の庭を払はしめ、道路を掃治せしめき。其の善根に依て、奴婢、死して、忉利天に生れぬ。此の天人は、彼の奴婢也。此の故に、来り下て、我れを見、法を聞て、法眼浄を得る也」と説給けり。

然れば、発さずして、人の言に随て、寺の庭を掃治したる功徳、既に此の如し。何況や、自心を専にして、寺の庭を掃治したらむ人の功徳、思遣るべしとなむ、語り伝へたるとや。

1)
釈迦
2)
祇園精舎
text/k_konjaku/k_konjaku2-21.txt · 最終更新: 2016/05/28 17:40 by Satoshi Nakagawa
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