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text:k_konjaku:k_konjaku1-2 [2016/03/30 14:53] – [巻1第2話 釈迦如来人界生給語 第二] Satoshi Nakagawatext:k_konjaku:k_konjaku1-2 [2016/04/19 17:34] (現在) – [巻1第2話 釈迦如来人界生給語 第二] Satoshi Nakagawa
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 其の時に大臣有り。摩訶那摩と云ふ。大王の御許に参て、太子生れ給へる事を奏聞し、又種々の希有の事を啓す。 其の時に大臣有り。摩訶那摩と云ふ。大王の御許に参て、太子生れ給へる事を奏聞し、又種々の希有の事を啓す。
  
-大王、驚乍ら、彼の薗に行幸し給ふ時に、一人の女有て、大王の来り給へるを見て、薗の内に入て、太子を懐奉(いだきまつり)て、大王の御許に将奉(ゐてまつり)て((底本頭注「将ノ下一本行字アリ下同ジ」))云く、「太子、今、父の王を敬礼し給ふべし」と。王の宣はく、「先づ、我が師の婆羅門を礼して後に我を見よ」と。其の時に、女人、太子を懐て、婆羅門の許に将奉る。婆羅門、太子を見奉て、大王に申さく、「此の太子は必ず輪聖王と成給べし」と。+大王、驚乍ら、彼の薗に行幸し給ふ時に、一人の女有て、大王の来り給へるを見て、薗の内に入て、太子を懐奉(いだきまつり)て、大王の御許に将奉(ゐてまつり)て((底本頭注「将ノ下一本行字アリ下同ジ」))云く、「太子、今、父の王を敬礼し給ふべし」と。王の宣はく、「先づ、我が師の婆羅門を礼して後に我を見よ」と。其の時に、女人、太子を懐て、婆羅門の許に将奉る。婆羅門、太子を見奉て、大王に申さく、「此の太子は必ず輪聖王と成給べし」と。
  
 大王、太子を具し奉りて迦毗羅城に入給ふ。其の城を去る事遠からずして、一の天神有り。名をば増長と云ふ。其の社には、諸の釈種、常に詣て礼拝して、心に称(かな)はむ事を乞願ふ社也。大王、太子を彼の天神の社に将詣(ゐてまう)で給て、諸の大臣に告て宣はく、「我れ、今、太子に此の天神を礼(をがま)しむべし」と。乳母、太子を懐奉て、天神の前に詣づる時に、一の女天神有り。名をば無畏と云ふ。其の堂より下て、太子を迎奉て、掌を合せ恭敬して、太子の御足を頂礼して、乳母に語て云く、「此の太子は人に勝れ給へり。努々(ゆめゆめ)軽め奉る事無かれ。又、太子に我を礼せ奉る事無かれ。我れ、太子を礼し奉るべし」と。 大王、太子を具し奉りて迦毗羅城に入給ふ。其の城を去る事遠からずして、一の天神有り。名をば増長と云ふ。其の社には、諸の釈種、常に詣て礼拝して、心に称(かな)はむ事を乞願ふ社也。大王、太子を彼の天神の社に将詣(ゐてまう)で給て、諸の大臣に告て宣はく、「我れ、今、太子に此の天神を礼(をがま)しむべし」と。乳母、太子を懐奉て、天神の前に詣づる時に、一の女天神有り。名をば無畏と云ふ。其の堂より下て、太子を迎奉て、掌を合せ恭敬して、太子の御足を頂礼して、乳母に語て云く、「此の太子は人に勝れ給へり。努々(ゆめゆめ)軽め奉る事無かれ。又、太子に我を礼せ奉る事無かれ。我れ、太子を礼し奉るべし」と。
text/k_konjaku/k_konjaku1-2.txt · 最終更新: 2016/04/19 17:34 by Satoshi Nakagawa