text:jojin:s_jojin1-05
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text:jojin:s_jojin1-05 [2017/02/14 11:28] – [上巻(5) その朝文おこせ給へるつらけれど急ぎ見れば・・・] Satoshi Nakagawa | text:jojin:s_jojin1-05 [2017/02/26 14:07] (現在) – [校訂本文] Satoshi Nakagawa | ||
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心もなきやうにて、何方(いづかた)西なども思えず。目も霧渡り、夢の心地して、暗らしたる、またの朝、京より人来て、「今宵の夜中ばかり、出で給ひぬ」と言ふ。起き上がられで、言はむ方なく悲し。 | 心もなきやうにて、何方(いづかた)西なども思えず。目も霧渡り、夢の心地して、暗らしたる、またの朝、京より人来て、「今宵の夜中ばかり、出で給ひぬ」と言ふ。起き上がられで、言はむ方なく悲し。 | ||
- | またの朝に文あり。目も見開けられねど、見れば、「『参らむ』と思ひ侍れど、夜中ばかりに詣(ま)で来つれば、かへすがへす、静心(しづごころ)なく」とあり。目も暗れて、心地もまどふや((底本「本ママう落歟」と傍書。))なるに、送りの人々、集まりて慰むるに、ゆゆしう思ゆ。 | + | またの朝に文あり。目も見開けられねど、見れば、「『参らむ』と思ひ侍れど、夜中ばかりに詣(ま)で来つれば、返す返す静心(しづごころ)なく」とあり。目も暗れて、心地もまどふや((底本「本ママう落歟」と傍書。))なるに、送りの人々、集まりて慰むるに、ゆゆしう思ゆ。 |
やがて、「八幡(やはた)と申す所まで、船に乗り給ひぬ」と聞くにも、おぼつかなさ、言ふ方なき。 | やがて、「八幡(やはた)と申す所まで、船に乗り給ひぬ」と聞くにも、おぼつかなさ、言ふ方なき。 |
text/jojin/s_jojin1-05.1487039295.txt.gz · 最終更新: 2017/02/14 11:28 by Satoshi Nakagawa