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text:jojin:s_jojin1-05 [2017/02/11 00:16] – 作成 Satoshi Nakagawatext:jojin:s_jojin1-05 [2017/02/26 14:07] (現在) – [校訂本文] Satoshi Nakagawa
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 成尋阿闍梨母集 成尋阿闍梨母集
-====== 巻(5) その朝文おこせ給へるつらけれど急ぎ見れば・・・ ======+====== 巻(5) その朝文おこせ給へるつらけれど急ぎ見れば・・・ ======
  
 ===== 校訂本文 ===== ===== 校訂本文 =====
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 心もなきやうにて、何方(いづかた)西なども思えず。目も霧渡り、夢の心地して、暗らしたる、またの朝、京より人来て、「今宵の夜中ばかり、出で給ひぬ」と言ふ。起き上がられで、言はむ方なく悲し。 心もなきやうにて、何方(いづかた)西なども思えず。目も霧渡り、夢の心地して、暗らしたる、またの朝、京より人来て、「今宵の夜中ばかり、出で給ひぬ」と言ふ。起き上がられで、言はむ方なく悲し。
  
-またの朝に文あり。目も見開けられねど、見れば、「『参らむ』と思ひ侍れど、夜中ばかりに詣(ま)で来つれば、かへがへ静心(しづごころ)なく」とあり。目も暗れて、心地もまどふや((底本「本ママう落歟」と傍書。))なるに、送りの人々、集まりて慰むるに、ゆゆしう思ゆ。+またの朝に文あり。目も見開けられねど、見れば、「『参らむ』と思ひ侍れど、夜中ばかりに詣(ま)で来つれば、す静心(しづごころ)なく」とあり。目も暗れて、心地もまどふや((底本「本ママう落歟」と傍書。))なるに、送りの人々、集まりて慰むるに、ゆゆしう思ゆ。
  
 やがて、「八幡(やはた)と申す所まで、船に乗り給ひぬ」と聞くにも、おぼつかなさ、言ふ方なき。 やがて、「八幡(やはた)と申す所まで、船に乗り給ひぬ」と聞くにも、おぼつかなさ、言ふ方なき。
text/jojin/s_jojin1-05.txt · 最終更新: 2017/02/26 14:07 by Satoshi Nakagawa