ユーザ用ツール

サイト用ツール


text:jikkinsho:s_jikkinsho10-66

差分

この文書の現在のバージョンと選択したバージョンの差分を表示します。

この比較画面にリンクする

text:jikkinsho:s_jikkinsho10-66 [2016/04/13 15:07] (現在)
Satoshi Nakagawa 作成
ライン 1: ライン 1:
 +十訓抄 第十 才芸を庶幾すべき事
 +====== 10の66 孟嘗君が楽しみに飽き満ちてもののあはれを知らざりけり・・・ ======
 +
 +===== 校訂本文 =====
 +
 +孟嘗君((田文))が楽しみに飽き満ちて、もののあはれを知らざりけり。
 +
 +雍門((雍門周))といふ人、わりなく琴を弾く。聞く人、涙を落さずといふことなし。君((孟嘗君))がいはく、「雍門、よく琴を弾くとも、われはいかでか泣かむ」と言ひて弾かせけるに、まづ、世の中の無常を言ひつづけて、折にあへる調べをかき合せて、いまだその声終らざるに、涙を落しけり。
 +
 +「豪士賦」序に、陸士衡が書ける
 +
 +  落葉俟微風以隕 風力蓋寡
 +
 +  孟嘗遭雍門而泣 琴曲已未
 +
 +また、橘在列が出家ののち、「友に送る序代」に、
 +
 +  孟嘗君多楽、猶泣雍門之微琴
 +
 +と書ける、これなり。
 +
 +===== 翻刻 =====
 +
 +  六十九孟嘗君カタノシミニアキミチテ、物ノ哀ヲシラサリケ
 +        リ、雍門ト云人ワリナク琴ヲヒク、聞人涙ヲオトサス
 +        ト云事ナシ、君カ云ク、雍門能ク琴ヲヒクトモ、我ハ争
 +        カナカムト云テ引セケルニ、先世中ノ無常ヲ云ツツケ
 +        テオリニアヘル調ヘヲカキ合テ、イマタソノ声オハラサ
 +        ルニ涙ヲオトシケリ、豪士賦序ニ陸士衡カ書ル
 +          落葉俟微風以隕風力蓋寡
 +          孟嘗遭雍門而泣琴曲已未
 +        又橘在列カ出家ノ後、友ニオクル序代ニ孟嘗君多
 +        楽、猶泣雍門之微琴ト書ル是也、/k112
  


text/jikkinsho/s_jikkinsho10-66.txt · 最終更新: 2016/04/13 15:07 by Satoshi Nakagawa