text:jikkinsho:s_jikkinsho08-07
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— | text:jikkinsho:s_jikkinsho08-07 [2016/02/23 01:39] (現在) – 作成 Satoshi Nakagawa | ||
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+ | 十訓抄 第八 諸事を堪忍すべき事 | ||
+ | ====== 8の7 大和国に男ありけりもとの妻と壁を隔ててめづらしき女を迎へて・・・ ====== | ||
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+ | ===== 校訂本文 ===== | ||
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+ | 大和国に男ありけり。もとの妻と壁を隔てて、めづらしき女を迎へて、月ごろ経れども、この妻妬める気色もなくて過ぎけり。 | ||
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+ | 秋の夜の、つくづくと長きに、鹿の音の、枕におとづるるを、もとの妻に((底本「に」なし。諸本により補う。))、「聞き給ふや」と問ひければ、詠める。 | ||
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+ | われもしかなきてそ人に恋ひられし今こそよそに声をのみ聞け | ||
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+ | 男、かぎりなくめでて、今の妻を送り、もとの妻と住みけり。 | ||
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+ | ===== 翻刻 ===== | ||
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+ | 七大和国ニ男有ケリ、本ノ妻トカヘヲ隔テメツラシキ | ||
+ | 女ヲムカヘテ、月コロフレトモ、此妻ネタメル気色モナ | ||
+ | クテスキケリ、秋ノ夜ノツクツクトナカキニ、鹿ノ音ノ | ||
+ | 枕ニオトツルルヲ、本ノ妻キキ給ヤト問ケレハヨメル、/k13 | ||
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+ | 我モシカナキテソ人ニコヒラレシ、イマコソヨソニ声ヲノミキケ、 | ||
+ | 男限ナクメテテ、今ノ妻ヲ送リ、本ノ妻トスミケリ、/k14 | ||
text/jikkinsho/s_jikkinsho08-07.txt · 最終更新: 2016/02/23 01:39 by Satoshi Nakagawa