text:jikkinsho:s_jikkinsho07-15
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text:jikkinsho:s_jikkinsho07-15 [2016/02/06 21:11] – 作成 Satoshi Nakagawa | text:jikkinsho:s_jikkinsho07-15 [2016/02/06 21:40] (現在) – [校訂本文] Satoshi Nakagawa | ||
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すべて文はいつも褻(け)なるまじきなり。あやしく見苦しきことなども書きたる文の、思ひかけぬ反古の中より出でたるにも、見ぬ世の人の心際(こころぎは)は見ゆるものぞかし。ただ今、さしあたりて、はづかしらぬ人と思へども、落ち散りぬれば、必ずあいなきこともあれば、より心得べきことなり。 | すべて文はいつも褻(け)なるまじきなり。あやしく見苦しきことなども書きたる文の、思ひかけぬ反古の中より出でたるにも、見ぬ世の人の心際(こころぎは)は見ゆるものぞかし。ただ今、さしあたりて、はづかしらぬ人と思へども、落ち散りぬれば、必ずあいなきこともあれば、より心得べきことなり。 | ||
- | かの北の方とかやは、春宮太夫公実卿((藤原公実))の女、待賢門院((藤原璋子))の御妹なり。女院につき参らせて、鳥羽院へも時々参り給ひけるが、花薗に入り籠り給ひけるのち、かの家に菊の花の咲きたりけるを、院より召しければ、参らせらるるとて、枝に結ひ付けられたりける、 | + | かの北の方とかやは、春宮大夫公実卿((藤原公実))の女、待賢門院((藤原璋子))の御妹なり。女院につき参らせて、鳥羽院へも時々参り給ひけるが、花薗に入り籠り給ひけるのち、かの家に菊の花の咲きたりけるを、院より召しければ、参らせらるるとて、枝に結ひ付けられたりける、 |
九重にうつろひぬとも菊の花もとの籬(まがき)を思ひ忘るな | 九重にうつろひぬとも菊の花もとの籬(まがき)を思ひ忘るな |
text/jikkinsho/s_jikkinsho07-15.txt · 最終更新: 2016/02/06 21:40 by Satoshi Nakagawa