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text:jikkinsho:s_jikkinsho06-03

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text:jikkinsho:s_jikkinsho06-03 [2015/12/18 00:51] (現在)
Satoshi Nakagawa 作成
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 +十訓抄 第六 忠直を存ずべき事
 +====== 6の3 漢の馮昭儀は元帝の御時の官女なり・・・ ======
 +
 +===== 校訂本文 =====
 +
 +漢の馮昭儀((馮媛・馮婕妤))は、元帝の御時の官女なり。園にこめて飼ひ給ひける熊の、放れて、帝の御座近く進み寄れりけるに、昭儀、これを防いで、身をまかせたりければ、熊とどまりたりけるを、左右より人来て、取りてけり。
 +
 +帝、昭儀にゆゑを問ひ給ふ。「われ聞く、『猛獣は人を得て進まず』。ゆゑに君に近づき奉ることを恐れて、かれにあたる」とぞ申しける。女なれども、「身に代り奉らむ」と思ふ志、深かりけり。
 +
 +わが朝、奈良の御門の御時、猿沢の池に身を投げし采女((底本「宋女」諸本により訂正。))は、はかなき契を心憂く思ひ入りたるばかりにて、この筋にはあらざりけり。
 +
 +===== 翻刻 =====
 +
 +  三漢ノ馮昭儀ハ元帝ノ御時ノ官女也、園ニコメ
 +    テカヒ給ケル熊ノ、ハナレテ帝ノ御座チカク
 +    ススミヨレリケルニ、昭儀是ヲフセイテ身ヲマ
 +    カセタリケレハ、熊トトマリタリケルヲ、左右ヨリ
 +    人来テ取テケリ、帝昭儀ニ故ヲ問給ワレキク
 +    猛獣ハ人ヲ得テススマス、故ニ君ニ近ツキ奉
 +    事ヲ恐テ、彼ニアタルトソ申ケル、女ナレトモ身ニ
 +    カハリ奉ラムト思フ志シフカカリケリ、我朝奈
 +    良ノ御門御時、サルサハノ池ニ身ヲナケシ宋女
 +    ハハカナキ契ヲ心ウク思入タルハカリニテ、コノ/k34
 +
 +    スチニハアラサリケリ、/k35
  


text/jikkinsho/s_jikkinsho06-03.txt · 最終更新: 2015/12/18 00:51 by Satoshi Nakagawa