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text:jikkinsho:s_jikkinsho05-12

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text:jikkinsho:s_jikkinsho05-12 [2015/12/04 19:09] – 作成 Satoshi Nakagawatext:jikkinsho:s_jikkinsho05-12 [2020/09/25 02:30] (現在) – [校訂本文] Satoshi Nakagawa
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 また、数寄者(すきもの)なればとて、一筋に愛で近付くべきにあらず。 また、数寄者(すきもの)なればとて、一筋に愛で近付くべきにあらず。
  
-これも『大和物語』((103段))に、武蔵守なる人の娘、洞院の后の女房にて候ひけるが、髪・形けうらなる若人(わかうど)にて、人あまたけ懸想しけれども、夫などもせで、思ひあがりたりけるを、平中((平貞文))、あながちにいひければ、あひにけるほどに、思はずにつらかりければ、歎きけるを、「『いとあだにものし給ふ』と聞きし人にしも、ありありて、かくなむ」と、わが思ふことを、使ひ人の言ふを聞きて、いと心憂かりけるままに、尼になりて、その髪の切れを少し包みて((底本「つつして」。諸本により訂正。))、男のもとへ遣るとて、この歌を加へたりける、+これも『大和物語』(([[:text:yamato:u_yamato103|『大和物語』103段参照]]))に、武蔵守なる人の娘、洞院の后の女房にて候ひけるが、髪・形けうらなる若人(わかうど)にて、人あまたけ懸想しけれども、夫などもせで、思ひあがりたりけるを、平中((平貞文))、あながちにいひければ、あひにけるほどに、思はずにつらかりければ、歎きけるを、「『いとあだにものし給ふ』と聞きし人にしも、ありありて、かくなむ」と、わが思ふことを、使ひ人の言ふを聞きて、いと心憂かりけるままに、尼になりて、その髪の切れを少し包みて((底本「つつして」。諸本により訂正。))、男のもとへ遣るとて、この歌を加へたりける、
  
   あまの川空なるものと聞きしかどわが目の前の涙なりけり   あまの川空なるものと聞きしかどわが目の前の涙なりけり
text/jikkinsho/s_jikkinsho05-12.1449223762.txt.gz · 最終更新: 2015/12/04 19:09 by Satoshi Nakagawa