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text:jikkinsho:s_jikkinsho04-03

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text:jikkinsho:s_jikkinsho04-03 [2015/11/03 15:01] – [校訂本文] Satoshi Nakagawatext:jikkinsho:s_jikkinsho04-03 [2015/11/03 17:59] – [翻刻] Satoshi Nakagawa
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 ===== 翻刻 ===== ===== 翻刻 =====
  
-  堀河院御時、中宮御方半物砂金 +  堀河院御時、中宮御方半物砂金 
-  美女有けり、兵庫頭源仲正なんける、其時殿 +  美女有ケリ、兵庫頭源仲正ナンケル、其時殿 
-  前駈人々、鴨井殿酒飲ける、或人かの砂 +  前駈人々、鴨井殿酒飲ケル、或人カノ砂 
-  金語出して一日内裏にてねりたりし限 +  金語出シテ一日内裏ニテネリタリシ限 
-  あれは天人にはまさらしとこそえしか、世はかや +  アレハ天人ニハマサラシトコソエシカ、世ハカヤ 
-  うなるものをこそ、此世思出にもせまほしけれと云、鬼ここ +  ウナルモノヲコソ、此世思出ニモセマホシケレト云、鬼ココ 
-  めをもならすへる武士しきともかなふ/k145+  メヲモナラスヘル武士シキトモカナフ/k145
  
-  へからす、無沙汰にてなんと云、佐実云人さかしたち +  ヘカラス、無沙汰ニテナント云、佐実云人サカシタチ 
-  たる本性にていなや武士にはほるるもの也、己はぬ +  タル本性ニテイナヤ武士ニハホルルモノ也、己ハヌ 
-  すまむとたにはは、仲正何るともらしと +  スマムトタニハハ、仲正何ルトモラシト 
-  をあたとかけん、仲正をあさけりおこつ +  ヲアタトカケン、仲正ヲアサケリオコツ 
-  くやうにけれはかたへは詞少にてにけり、此事誰 +  クヤウニケレハカタヘハ詞少ニテニケリ、此事誰 
-  中言したりけむ、仲正還聞からぬ事也男こと +  中言シタリケム、仲正還聞カラヌ事也男コト 
-  もいかかすへき、彼弓矢本末知にあらねはよし +  モイカカスヘキ、彼弓矢本末知ニアラネハヨシ 
-  なきなれとさりとてさてにはやすからすことから +  ナキナレトサリトテサテニハヤスカラスコトカラ 
-  はかりおとさんと思也云合けれはいとなり +  ハカリオトサント思也云合ケレハイトナリ 
-  とて、夕闇頃殿よりけるを待請、車よりひ/k146+  トテ、夕闇頃殿ヨリケルヲ待請、車ヨリヒ/k146
  
-  さるいはしやと怠状せさせてゆるしてけり、 +  サルイハシヤト怠状セサセテユルシテケリ、 
-  此仲正郎等ことに +  此仲正郎等コトニ 
-  かへりみぬゐ中武者一人有けるか、此事伝 +  カヘリミヌヰ中武者一人有ケルカ、此事伝 
-  聞にて馳来けるか、今おきあかりて小家にはひ +  聞ニテ馳来ケルカ、今オキアカリテ小家ニハヒ 
-  としける時行合、何ともせす、本鳥押切、仲 +  トシケル時行合、何トモセス、本鳥押切、仲 
-  正是奉らんとけれは、仲正かほとははす +  正是奉ラントケレハ、仲正カホトハハス 
-  不思議したりとなから、甲斐なきなれはさ +  不思議シタリトナカラ、甲斐ナキナレハサ 
-  、此事佐実こそ我身のため、口よりとへも +  、此事佐実コソ我身ノタメ、口ヨリトヘモ 
-  出さねとかはかりのさてやまむやは、院聞召下手 +  出サネトカハカリノサテヤマムヤハ、院聞召下手 
-  人なとれてきひしく御沙汰あるほとに、佐実本鳥/k147+  人ナトレテキヒシク御沙汰アルホトニ、佐実本鳥/k147
  
-  切られにけりと云事聞けるをぬしも仲正もあらかひ +  切ラレニケリト云事聞ケルヲヌシモ仲正モアラカヒ 
-  申けるによて、重にはあたらさりけれと、切たる者 +  申ケルニヨテ、重ニハアタラサリケレト、切タル者 
-  某聞召、其郎等、跡をくらみて失 +  某聞召、其郎等、跡ヲクラミテ失 
-  、仲正力及はさりけれは、院聞召煩、其時盛重 +  、仲正力及ハサリケレハ、院聞召煩、其時盛重 
-  検非違使にてけるを、此本鳥切たりと云男構 +  検非違使ニテケルヲ、此本鳥切タリト云男構 
-  とらへてらせよとられけれは、承りて内々彼かゆ +  トラヘテラセヨトラレケレハ、承リテ内々彼カユ 
-  かりを、母尼公暁夕晩ことにけり、 +  カリヲ、母尼公暁夕晩コトニケリ、 
-  かかるあさほらけに法師姿をして門 +  カカルアサホラケニ法師姿ヲシテ門 
-  叩事あり、是たたにはしとあやめてやかて +  叩事アリ、是タタニハシトアヤメテヤカテ 
-  是、我はあやまたす、彼人在所清水坂のし/k148+  是、我ハアヤマタス、彼人在所清水坂ノシ/k148
  
-  かしかの所也、其便にまうてきたりたる許也あはて +  カシカノ所也、其便ニマウテキタリタル許也アハテ 
-  さはきけれは法師をいかにもすへきには、彼 +  サハキケレハ法師ヲイカニモスヘキニハ、彼 
-  へき料也とて、程へはかへりもそとてやかて +  ヘキ料也トテ、程ヘハカヘリモソトテヤカテ 
-  打立てからめにこになりけれは、 +  打立テカラメニコニナリケレハ、 
-  煩なくからめて、盛重思やうは、六波羅刑部 +  煩ナクカラメテ、盛重思ヤウハ、六波羅刑部 
-  卿忠盛居られたり、其傍はうははれなむすおこの +  卿忠盛居ラレタリ、其傍ハウハハレナムスオコノ 
-  事なむすとすすろなる法師をとらへて、 +  事ナムストススロナル法師ヲトラヘテ、 
-  おかしきものにそなたへやりつ、真をは人 +  オカシキモノニソナタヘヤリツ、真ヲハ人 
-  少にて祇薗中路云方より、忍ひやかにりて +  少ニテ祇薗中路云方ヨリ、忍ヒヤカニリテ 
-  けりさりけれと忠盛よしなくやはれけむたたす/k149+  ケリサリケレト忠盛ヨシナクヤハレケムタタス/k149
  
-  こしてけり、其時清水大衆起此御寺ててそ +  コシテケリ、其時清水大衆起此御寺テテソ 
-  そろにをからむる事、昔よりなし、仮しの +  ソロニヲカラムル事、昔ヨリナシ、仮シノ 
-  りとも、別当にふれてこそかかめられめと、集群りて、 +  リトモ、別当ニフレテコソカカメラレメト、集群リテ、 
-  いかにもさしとしけれは、煩しくてより畳紙 +  イカニモサシトシケレハ、煩シクテヨリ畳紙 
-  文てさしやう、争触奉らてはから +  文テサシヤウ、争触奉ラテハカラ 
-  らむそれにかへりせしとしつれは披露はせす、此 +  ラムソレニカヘリセシトシツレハ披露ハセス、此 
-  暁別当もと(平仮名)へたりつる請文是とてさし出 +  暁別当もとタリツル請文是トテサシ出 
-  したれはさては左右はすとてしてけり、此次第 +  シタレハサテハ左右ハストテシテケリ、此次第 
-  院聞召、誠思召れけり、此男めしれけれは、 +  院聞召、誠思召レケリ、此男メシレケレハ、 
-  あらかはす切候にきとけるを、佐実当時こもり/k150+  アラカハス切候ニキトケルヲ、佐実当時コモリ/k150
  
-  ゐねは、聞召まほしう思召、又盛重此佐実本鳥 +  ヰネハ、聞召マホシウ思召、又盛重此佐実本鳥 
-  切られさる事、慥実否見なむやとらるるに事 +  切ラレサル事、慥実否見ナムヤトラルルニ事 
-  にもらすとさまに、北面泰忠候けるをいさ +  ニモラストサマニ、北面泰忠候ケルヲイサ 
-  給酒飲るに伴給へとけれは、時のき +  給酒飲ルニ伴給ヘトケレハ、時ノキ 
-  りものなれはうれしとひて相具てゆくいつくならむ +  リモノナレハウレシトヒテ相具テユクイツクナラム 
-  、此佐実次作出 +  、此佐実次作出 
-  まさまの事云合定、二時はかりににけり、主 +  マサマノ事云合定、二時ハカリニニケリ、主 
-  酒取せけるほとに、我しかはら +  酒取セケルホトニ、我シカハラ 
-  けさすとてたるよしして瓶子取てあしく振舞 +  ケサストテタルヨシシテ瓶子取テアシク振舞 
-  るやうにて、烏帽子をつきしつ、誤したるつらつ/k151+  ルヤウニテ、烏帽子ヲツキシツ、誤シタルツラツ/k151
  
-  くりしてもてさはきてれはめくりをうつくしう +  クリシテモテサハキテレハメクリヲウツクシウ 
-  編、烏帽子たる也泰忠くはせしけれは其 +  編、烏帽子タル也泰忠クハセシケレハ其 
-  時証人のためにさそひけると心得てける、盛重 +  時証人ノタメニサソヒケルト心得テケル、盛重 
-  ゆゆしきちしたりとくるめくさめぬれは帰 +  ユユシキチシタリトクルメクサメヌレハ帰 
-  参此由、某証人のために相具ると奏 +  参此由、某証人ノタメニ相具ルト奏 
-  しけれは、一人罷たりともおほしめすましけれと証人具 +  シケレハ、一人罷タリトモオホシメスマシケレト証人具 
-  たる事殊厳重也御感有けりさて仲正罪ことに +  タル事殊厳重也御感有ケリサテ仲正罪コトニ 
-  重にけりかかれとも猶佐実あらかひけるやうにて +  重ニケリカカレトモ猶佐実アラカヒケルヤウニテ 
-  出仕しありきけるを、人咲ひけれとさてのみけり、其頃 +  出仕シアリキケルヲ、人咲ヒケレトサテノミケリ、其頃 
-  花薗のおとといまたつかさもくおはしけるに、文御師/k152+  花薗ノオトトイマタツカサモクオハシケルニ、文御師/k152
  
-  にて博士敦正ける者参けり、才覚いとしな +  ニテ博士敦正ケル者参ケリ、才覚イトシナ 
-  るにや、此佐実花薗殿物語申ける、御文事 +  ルニヤ、此佐実花薗殿物語申ケル、御文事 
-  候はん佐実されへき、敦正にはよも +  候ハン佐実サレヘキ、敦正ニハヨモ 
-  候はしとて、彼浅事共けれは、心得なからあひし +  候ハシトテ、彼浅事共ケレハ、心得ナカラアヒシ 
-  らひとやけん忝候とていみしき秀句をこそ思 +  ラヒトヤケン忝候トテイミシキ秀句ヲコソ思 
-  寄侍れといとある事哉いかにと問給、有花 +  寄侍レトイトアル事哉イカニト問給、有花 
-  有花敦正山之春霞紅あるしの殿笑給いみしき +  有花敦正山之春霞紅アルシノ殿笑給イミシキ 
-  秀句也感給けれはおこつくなりけり、   心つきなく +  秀句也感給ケレハオコツクナリケリ、   心ツキナク 
-  おほえて、敦正したりけるにこそ、次第語けれは、大 +  オホエテ、敦正シタリケルニコソ、次第語ケレハ、大 
-  我弓箭とるにてはは、仲正かやうになひ目/k153+  我弓箭トルニテハハ、仲正カヤウニナヒ目/k153
  
-  をもみせへしれとも、事ぬわさ也、此 +  ヲモミセヘシレトモ、事ヌワサ也、此 
-  下句をこそ付侍らめとて、無鳥々々佐実園之冬雪 +  下句ヲコソ付侍ラメトテ、無鳥々々佐実園之冬雪 
-  白とそたりけるあるしいみしく感給けり、世人其頃 +  白トソタリケルアルシイミシク感給ケリ、世人其頃 
-  物語にしてしてけり、/k154+  物語ニシテシテケリ、/k154
  
text/jikkinsho/s_jikkinsho04-03.txt · 最終更新: 2020/10/28 23:19 by Satoshi Nakagawa