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text:jikkinsho:s_jikkinsho03-08

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text:jikkinsho:s_jikkinsho03-08 [2015/10/18 17:01] (現在)
Satoshi Nakagawa 作成
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 +十訓抄 第三 人倫を侮らざる事
 +====== 3の8 近ごろ最勝光院に梅盛りなる春ゆゑづきたる女房一人・・・ ======
 +
 +===== 校訂本文 =====
 +
 +近ごろ、最勝光院に梅盛りなる春、ゆゑづきたる女房一人、釣殿にたたずみて、花を見るほどに、男法師などうちむれて入り来ければ、「こちなし」とや思ひけむ、帰り出でけるを、着たる薄衣(うすぎぬ)の、ことのほかに黄ばみすすけたるを笑ひて、
 +
 +  花を見捨てて帰る猿丸(さるまろ)
 +
 +と連歌をしかけたりければ、とりあへず、
 +
 +  星まぼる犬の吠えるに驚きて
 +
 +と付けたりけり。人々、恥ぢて逃げにけり。この女房は俊成卿女(しゅんぜいきょうのむすめ)とて、いみじき歌詠みなりけるが、深く姿をやつしたりけるとぞ。
 +
 +===== 翻刻 =====
 +
 +  近来最勝光院ニ梅サカリナル春、ユヘツキタル女房
 +  一人、釣殿ニタタスミテ花ヲミルホトニ、男法師ナ
 +  トウチムレテ入キケレハ、コチナシトヤ思ケム帰出ケル
 +  ヲ、キタルウスキヌノ、事ノ外ニキハミススケタルヲ笑
 +  ヒテ、
 +    花ヲミステテカヘルサルマロ
 +  ト連歌ヲシカケタリケレハ、トリアヘス、
 +    ホシマホルイヌノホエルニオトロキテ、/k121
 +
 +  ト付タリケリ、人々恥テニケニケリ、此女房ハ俊成
 +  卿娘トテ、イミシキ歌ヨミナリケルカ、深ク姿ヲヤツ
 +  シタリケルトソ、/k122
  


text/jikkinsho/s_jikkinsho03-08.txt · 最終更新: 2015/10/18 17:01 by Satoshi Nakagawa