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text:jikkinsho:s_jikkinsho03-00 [2015/10/11 03:27] – 作成 Satoshi Nakagawa | text:jikkinsho:s_jikkinsho03-00 [2015/10/23 11:33] (現在) – [校訂本文] Satoshi Nakagawa | ||
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**第三 人倫を侮らざる事** | **第三 人倫を侮らざる事** | ||
- | ある人いはく、人をあなづることは、色は変れども、必らずあることなり。 | + | ある人いはく、人を侮(あなづ)ることは、色は変れども、必らずあることなり。 |
- | あるいは、貧しく((底本「貧ししく」。衍字とみて訂正。))賤しきをも慢(あなづ)る。 | + | あるいは、貧しく((底本「貧ししく」。衍字とみて訂正。))賤しきをも侮る。 |
- | あるいは、不覚なるをも慢る。 | + | あるいは、不覚なるをも侮る。 |
- | 下りざまなるをも慢りて、すること、言ふことをも、「さばかりにこそ」と思へり。 | + | 下りざまなるをも侮りて、すること、言ふことをも、「さばかりにこそ」と思へり。 |
- | あるいは、親しみ、むつるるをも慢り、おほかた不運なるものをば、所行・事柄、よからぬやうに思ひ、賤しきものは振舞ひごと、いたつらごとと思へり。 | + | あるいは、親しみ、むつるるをも侮り、おほかた不運なるものをば、所行・事柄、よからぬやうに思ひ、賤しきものは振舞ひごと、いたつらごとと思へり。 |
これは無智の人のあることなり。これによりて、言ふまじき言をも言ひ、すまじきわざをも振舞ふほどに、侮る葛(かづら)に倒(たふ)れして、思はざるほかの辱(は)ぢがましきことにもあひ、言はるまじき者にも言はれぬれば、人に軽(かろ)く思ひけがされ、心劣りせらるるなり。 | これは無智の人のあることなり。これによりて、言ふまじき言をも言ひ、すまじきわざをも振舞ふほどに、侮る葛(かづら)に倒(たふ)れして、思はざるほかの辱(は)ぢがましきことにもあひ、言はるまじき者にも言はれぬれば、人に軽(かろ)く思ひけがされ、心劣りせらるるなり。 |
text/jikkinsho/s_jikkinsho03-00.txt · 最終更新: 2015/10/23 11:33 by Satoshi Nakagawa