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text:jikkinsho:s_jikkinsho01-53
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text:jikkinsho:s_jikkinsho01-53 [2015/10/06 14:41] (現在) – 作成 Satoshi Nakagawa
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 +十訓抄 第一 人に恵を施すべき事
 +====== 1の53 江匡房記いはく和歌の道にとりて往年六人の党あり・・・ ======
 +
 +===== 校訂本文 =====
 +
 +江匡房記((大江匡房の日記。『江記』ともいう。散逸。))いはく、
 +
 +和歌の道にとりて往年六人の党あり。いはゆる、範永((藤原範永))・棟仲((平棟仲))・頼実((源頼実))・兼長((源兼長))・経衡((藤原経衡))・頼家((源頼家))らなり。年を経てのち、この輩(ともがら)逝去して、頼家一人残りたりけるに、為仲((橘為仲))といふ者、奥州より歌を頼家に送る。その意、君と我、なまじひに残るよしを詠めり。
 +
 +頼家、怒りていはく、「為仲、当初のこの六人に入らず。君を我と生き残るよし、安からぬことなり」とて、返歌に及ばざりけり。
 +
 +===== 翻刻 =====
 +
 +  江匡房記云和哥道ニ取テ往年六人ノ党アリ、所
 +  謂範永棟仲頼実兼長経衡頼家等也、年ヲヘテノ
 +  チ此輩逝去シテ頼家一人残タリケルニ、為仲ト云
 +  者奥州ヨリ哥ヲ頼家ニヲクル其意君ト我ナマシ
 +  ヰニ残ルヨシヲ読リ、頼家怒リテ云ク、為仲当初之
 +  此六人ニ入ス君ト我ト生残ル由安カラヌ事也トテ、返/k95
 +
 +  哥ニ及ハサリケリ、/k96
  
text/jikkinsho/s_jikkinsho01-53.txt · 最終更新: 2015/10/06 14:41 by Satoshi Nakagawa