text:jikkinsho:s_jikkinsho01-38

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--- text:jikkinsho:s_jikkinsho01-38 [2015/09/24 14:09] – 作成 Satoshi Nakagawa
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-  堀河院御時勘解由次官明宗とていみしき笛吹有
+  堀河院御時勘解由次官明宗トテイミシキ笛吹有
-  けり、ゆゆしき心をくれの人也院笛聞しめされむとて
+  ケリ、ユユシキ心ヲクレノ人也院笛聞シメサレムトテ
-  召たりける時、御門の御前と思に臆して、わななきて／k72
+  召タリケル時、御門ノ御前ト思ニ臆シテ、ワナナキテ／k72
-  え吹さりけり、本意なしとて相知れりける女房に仰
+  エ吹サリケリ、本意ナシトテ相知レリケル女房ニ仰
-  れて、私につほの辺によひて吹せよ、われ立きかんと仰有
+  レテ、私ニツホノ辺ニヨヒテ吹セヨ、ワレ立キカント仰有
-  けれは月の夜かたらひ契てふかせけり、女房の聞と
+  ケレハ月ノ夜カタラヒ契テフカセケリ、女房ノ聞ト
-  思にははかる方なくて思さまに吹ける、世にたくひなく目
+  思ニハハカル方ナクテ思サマニ吹ケル、世ニタクヒナク目
-  出かりけり、御門感に堪させたまはす、日来上手とは
+  出カリケリ、御門感ニ堪サセタマハス、日来上手トハ
-  聞召つれとも、かくほとまては思食す、いととこそ目出け
+  聞召ツレトモ、カクホトマテハ思食ス、イトトコソ目出ケ
-  れと仰出されたるに、さは御門の聞召けるよと忽に臆し
+  レト仰出サレタルニ、サハ御門ノ聞召ケルヨト忽ニ臆シ
-  てさはきける程に、縁より落にけり、安楽塩と云異
+  テサハキケル程ニ、縁ヨリ落ニケリ、安楽塩ト云異
-  名を付にけり、昔秦舞陽か始皇帝を瞻奉りて
+  名ヲ付ニケリ、昔秦舞陽カ始皇帝ヲ瞻奉リテ
-  色変し身振ひたりけるは、逆心をつつみえさりける／k73
+  色変シ身振ヒタリケルハ、逆心ヲツツミエサリケル／k73
-  故也顕宗何によりてさしもあはてけるとおかし、
+  故也顕宗何ニヨリテサシモアハテケルトオカシ、
-  天徳の哥合に博雅三位講師つとむるに或哥を読
+  天徳ノ哥合ニ博雅三位講師ツトムルニ或哥ヲ読
-  あやまりて、色変し声振ひける由彼時の記に見た
+  アヤマリテ、色変シ声振ヒケル由彼時ノ記ニ見タ
-  り、加様の事上古のよき人も力及はぬ事也、／k74
+  リ、加様ノ事上古ノヨキ人モ力及ハヌ事也、／k74

text/jikkinsho/s_jikkinsho01-38.txt · 最終更新: 2015/09/24 14:21 by Satoshi Nakagawa