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今物語

第32話 八幡の袈裟御子が幸ひの後うち続き人に思はれて・・・

校訂本文

八幡の袈裟御子が、幸ひの後、うち続き人に思はれて、大菩薩の御事を知り参らせざりければ、若宮の御祟りにて、一人持ちたりける娘、大事に病みて、目のつぶれたりけるを、異(こと)祈りをせず1)、娘を若宮の御前に具して参りて、膝の上に横ざまにかき伏せて、

  奥山にしをるしをりは誰がため身をかき分けて生める子のため

といふ歌を神歌に、泣く泣くあまた度(たび)歌ひたりければ、やがて御前にて、病やみ、目もさはさはと明きにけり。

翻刻

八幡の袈裟御子かさいはいののちうちつつき人におも
はれて大菩薩の御事をしりまいらせさりけれはわか
宮の御たたりにてひとりもちたりけるむすめ大事に
やみてめのつふれたりけるをこといのりをとすむすめを
若宮の御まへにくしてまいりてひさのうへによこさま
にかきふせて
  おく山にしほるしほりは誰かため身をかきわけてむめる子のため
といふ哥を神うたになくなくあまたたひうたひたりけれは
やかて御前にてやまひやみめもさはさはとあきにけり/s21l
1)
底本「こといのりをとす」。諸本により訂正
text/ima/s_ima032.txt · 最終更新: 2014/12/25 16:24 by Satoshi Nakagawa
CC Attribution-Share Alike 4.0 International
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