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今物語
第28話 ある女房の賀茂の糺に七日籠りてまかり出づるとて・・・
校訂本文
ある女房の、賀茂の糺(ただす)に七日籠りて、まかり出づるとて、物に書き付けける、
鳥の子のただすの中に籠り居てかへらむ時はとばざらめやは
と詠めりければ、「あはれ」とや思し召しけむ、やがて、めでたき人に思はれて、幸ひ人と言はれけり。
翻刻
ある女房の賀茂のたたすに七日こもりてまかりいつる とて物にかきつけける 鳥の子のたたすのなかにこもりゐてかへらむ時はとはさらめやは とよめりけれはあはれとやおほしめしけむやかてめてたき 人におもはれてさいわい人といはれけり/s20r
text/ima/s_ima028.txt · 最終更新: 2014/12/25 11:27 by Satoshi Nakagawa