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text:ima:s_ima002 [2014/12/12 22:05] – [校訂本文] Satoshi Nakagawatext:ima:s_ima002 [2020/04/23 20:41] – [校訂本文] Satoshi Nakagawa
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 ===== 校訂本文 ===== ===== 校訂本文 =====
  
-薩摩守忠度といふ人ありき。宮ばらの女房に「物申さむ」とて、局の上ざまにて((底本「まで」。諸本により訂正))ためらひけるが、ことのほかに夜更けにければ、扇(あふぎ)をはらはらと使ひ鳴らして、聞き知らせければ、この局の心知りの女房、「野も狭()にすだく虫の音(ね)や」と、ながめけるを聞きて、扇を使ひやみにける。+薩摩守忠度((平忠度))といふ人ありき。宮ばらの女房に「物申さむ」とて、局の上ざまにて((底本「まで」。諸本により訂正))ためらひけるが、ことのほかに夜更けにければ、扇(あふぎ)をはらはらと使ひ鳴らして、聞き知らせければ、この局の心知りの女房、「野もせにすだく虫の音(ね)や」と、ながめけるを聞きて、扇を使ひやみにける。
  
-人静まりて、出で会ひたりけるに、この女房、「扇をば、などや使ひ給はざりつるぞ」と言ひければ、「いさ、かしかましとかや聞こえつれば」と言ひたりける、やさしかりけり。+人静まりて、出で会ひたりけるに、この女房、「扇をば、などや使ひ給はざりつるぞ」と言ひければ、「いさ、かしかましとかや聞こえつれば」と言ひたりける、やさしかりけり。
  
   かしかまし野も狭にすだく虫の音や我だに物は言はでこそ思へ   かしかまし野も狭にすだく虫の音や我だに物は言はでこそ思へ
text/ima/s_ima002.txt · 最終更新: 2020/04/23 20:42 by Satoshi Nakagawa