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text:hosshinju:h_hosshinju7-10

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text:hosshinju:h_hosshinju7-10 [2017/07/27 14:54] (現在)
Satoshi Nakagawa 作成
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 +発心集
 +====== 第七第10話(85) 阿闍梨実印、大仏供養の時、罪を滅する事 ======
 +
 +===== 校訂本文 =====
 +
 +一年(ひととせ)、東大寺の大仏供養の時、田舎の人、残りなく参り集まりけるころ、かの勧進の聖、夢に見けるやう、一人の高僧来て、告げていはく、「この貴賤・道俗数知らず集まる中に、大夫阿闍梨実印(じちいん)といふ僧の、無始の罪障、ことごとく滅するなり」とのたまふ。
 +
 +いと貴く思えて、「しかじかいふ人やある」と尋ねさするほどに、おのづから尋ねあひにけり。
 +
 +すなはち、このことを語りて、「さても、いかほどのことを勤め給ふぞ。いといとおぼつかなく」など言ひける。さらさら仕(つかまつ)ることなし。ただ、御前に候ひし時、つねよりも信発(おこ)りて侍りしかば、他念なくして、泣く泣く涙を押さへて、理趣分((大般若経理趣分))をこそ、一遍読み侍りしか」とぞ答へける。
 +
 +===== 翻刻 =====
 +
 +    阿闍梨実印大仏供養時滅罪事
 +  一年東大寺ノ大仏供養ノ時田舎ノ人残リナク
 +  参集リケル比彼勧進ノ聖夢ニ見ケル様。一人ノ高
 +  僧来テ告云。此貴賤道俗カズシラズ集ル中ニ/n20l
 +
 +  大夫阿闍梨実印ト云僧ノ無始ノ罪障悉滅スルナ
 +  リトノ給。イトタウトク覚テシカシカ云人ヤアルト尋
 +  サスル程ニ。自ラ尋逢ニケリ。即此事ヲカタリテ。サテモ
 +  イカ程ノ事ヲ勤給フゾ。イトイト覚束ナクナド云
 +  ケル。更々仕ル事ナシ。只御前ニ候シ時ツネヨリモ信
 +  ヲコリテ侍シカバ。他念ナクシテ泣々涙ヲ押テ理趣
 +  分ヲコソ一遍ヨミ侍シカトゾ答ヘケル/n21r
  


text/hosshinju/h_hosshinju7-10.txt · 最終更新: 2017/07/27 14:54 by Satoshi Nakagawa