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古今著聞集 草木第二十九
647 延喜十三年十月十三日御記云仰侍臣令新菊花各十本分一二番相争勝劣賭以━・・・
校訂本文
延喜十三年十月十三日御記1)云、仰侍臣、令新菊花各十本、分一二番相争勝劣、賭以━2)。
申時、各方、領花参入。(一番入自仙華3)、二番入自滝口。)次第進花立庭中。(一番種花以石洲形、二番裁火桶。各蔵人所二人取立御前。)左衛門督藤原朝臣4)候御前、傅作勝負。惣十番。勝方、簾中拝舞。選進菊中各四本、栽西方小庭。十二月九日、二番侍臣、献負柚。(菊時負物也。此柚於射庭可献。而貢献遺失也)入夜出待賢門。左衛門督・権中納言5)、侍之飲酒。
書き下し文
延喜十三年十月十三日御記に云はく、侍臣に仰せて、新菊の花おのおの十本、一二番に分かち勝劣を相争せしめ、賭するに━を以てす。
申の時、各方、花を領じて参入す。(一番は仙華より入り、二番は滝口より入る。)次第に花を進めて庭中に立つ。(一番は花を種(う)うるに石洲形を以てし、二番は火桶に栽う。各蔵人所二人取りて御前に立つ。)左衛門督藤原朝臣御前に候ひ、傅(ふ)勝負を作す。すべて十番。勝方、簾中にして拝舞す。菊中各四本を選進して、西方小庭に栽う。
十二月九日、二番の侍臣、負柚を献ず。(菊の時の負物なり。この柚射庭に於て献ずべし。しかるに貢献遺失なり)夜に入りて待賢門を出づ。左衛門督・権中納言、これに侍して酒を飲む。
翻刻
延喜十三年十月十三日御記云仰侍臣令新菊花 各十本分一二番相争勝劣賭以━申時各方領 花参入(一番入自仙華/二番入自瀧口)次第進花立庭中(一番種花以/石洲形二番) (裁火桶各蔵人所/二人取立御前)左衛門督藤原朝臣候御前傅/s508l
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作勝負惣十番勝方廉中拝舞選進菊中各四 本栽西方小庭十二月九日二番侍臣献負柚(菊時負/物也此柚於) (射庭可献而貢/献遺失也)入夜出待賢門左衛門督権中納言侍之 飲酒/s509r
text/chomonju/s_chomonju647.txt · 最終更新: 2020/12/28 13:06 by Satoshi Nakagawa