text:chomonju:s_chomonju564
古今著聞集 興言利口第二十五
564 堀河内府入道納言の時功徳遊ありけり・・・
校訂本文
堀河内府入道1)、納言の時、功徳遊ありけり。念仏・礼讃など果てて朗詠ありけるに、少納言阿闍梨なにがしとかやいひける僧、「東方五百之塵」といふ句を詠ずとて、五百の字を誤りて、「八十の塵」と詠じたりけるを、尾張の内侍2)、簾中にて聞きて、「八十」と言ひだに果てぬに、「いま四百二十落ち候ひぬ」と言ひ出だしたりける、心はやさのほどありがたきなり。
翻刻
堀川内府入道納言の時功徳遊ありけり念仏礼 讃なとはてて朗詠ありけるに少納言阿闍梨/s446r
なにかしとかやいひける僧東方五百之塵といふ 句を詠すとて五百の字をあやまりて八十の 塵と詠したりけるを尾張の内侍簾中に て聞て八十といひたにはてぬにいま四百廿 おち候ぬとひ出したりける心はやさの程あり かたき也/s446l
text/chomonju/s_chomonju564.txt · 最終更新: 2020/10/24 16:22 by Satoshi Nakagawa