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text:chomonju:s_chomonju533

古今著聞集 興言利口第二十五

533 増円醍醐寺の桜会見物の時、舞の最中に見物をばせずして・・・

校訂本文

増円1)、醍醐寺の桜会見物の時、舞の最中に見物をばせずして、釈迦堂の前の桜のもとにて鞠を蹴たるほどに、醍醐法師に追ひ散らかされて、からき目見たりけり。

方々逃げのがれにけれど、よくきらはれ2)たるによりて、「うとめ増円」とぞ人は言ひける。

翻刻

なり増円醍醐寺桜会見物の時舞の最中に見物を
はせすして釈迦堂の前の桜の本にて鞠をけたる
程に醍醐法師にをひちらかされてからきめ見たりけり
方々にけのかれにけれとよくまたはれたるにより/s422l

http://kotenseki.nijl.ac.jp/biblio/100190287/viewer/422

てうとめ増円とそ人はいひける/s423r

http://kotenseki.nijl.ac.jp/biblio/100190287/viewer/423

1)
諸本「この増円」。532参照。
2)
「きらはれ」は底本「またはれ」。諸本により訂正。
text/chomonju/s_chomonju533.txt · 最終更新: 2020/10/04 15:55 by Satoshi Nakagawa