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text:chomonju:s_chomonju530

古今著聞集 興言利口第二十五

530 後鳥羽院の御時性親が葦毛といふあがり馬ありけり・・・

校訂本文

後鳥羽院1)の御時、性親2)が葦毛といふあがり馬ありけり。たまる者少なかりける中に、下野武景、かみを多く取り具して乗りけれども、なほ落ちけり。

それによりて、かみを短かく切りて、油綿(あぶらわた)を塗られたりければ、武景、いよいよたまらざりけり。

それよりぞ、武景をば「善知識の府生」とは人言ひける。

翻刻

後鳥羽院御時性親かあしけといふあかり馬ありけり
たまる物すくなかりける中に下野武景かみを多
とりくして乗けれとも猶おちけりそれによりてかみを
みしかくきりてあふらわたをぬられたりけれは武景
いよいよたまらさりけりそれよりそ武景をは善知
識の府生とは人いひける/s421l

http://kotenseki.nijl.ac.jp/biblio/100190287/viewer/421

1)
後鳥羽天皇
2)
藤原性親
text/chomonju/s_chomonju530.txt · 最終更新: 2020/10/03 23:23 by Satoshi Nakagawa