ユーザ用ツール

サイト用ツール


text:chomonju:s_chomonju487

古今著聞集 宿執第二十三

487 六波羅の別当長慶は院禅が琵琶の弟子なり・・・

校訂本文

六波羅1)の別当長慶は、院禅が琵琶の弟子なり。最後の時、時元2)とぶらひに来たりけるに、かき起こされて、「陪臚(ばいろ)の唱歌(しやうが)、今一度し給へ。承らん」と言ひければ、時元、言ふがごとくにしければ、ほろほろと泣きて聞きけり。

入滅の時は、秋風楽を聞きて、三帖の喚頭(くわんどう)に至るほどに遷化しにけり。

翻刻

六波羅別当長慶は院禅か琵琶の弟子也最後の
時時元とふらひにきたりけるにかきをこされて陪臚
の唱哥いま一度し給へうけ給はらんといひけれは時元
いふかことくにしけれはほろほろとなきてききけり入滅
の時は秋風楽をききて三帖喚頭にいたるほとに遷
化しにけり/s389l

http://kotenseki.nijl.ac.jp/biblio/100190287/viewer/389

1)
六波羅蜜寺
2)
豊原時元
text/chomonju/s_chomonju487.txt · 最終更新: 2020/08/29 11:52 by Satoshi Nakagawa