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text:chomonju:s_chomonju465

古今著聞集 哀傷第二十一

465 西行法師当時より釈迦如来御入滅の日終りをとらんことを願ひて詠み侍りける・・・

校訂本文

西行法師、当時より釈迦如来御入滅の日、終りをとらんことを願ひて、詠み侍りける、

  願はくは花のもとにて春死なんその如月の望月のころ

かく詠みて、つひに建久九年二月十五日1)、往生を遂げてけり。

このことを聞きて、左近中将定家朝臣2)、菩提院三位中将3)のもとへ申しつかはし侍りける、

  望月のころはたがはぬ空なれど消えけむ雲のゆくへ悲しも

返し

  紫の色と聞くにぞなぐさむる消えけん空は悲しけれども

翻刻

西行法師当時より尺迦如来御入滅の日終をとらん
事をねかひてよみ侍ける
 ねかはくは花のもとにて春しなんその二月のもち月の比
かくよみてつゐに建久九年二月十五日(或本十六日云々)往生をとけ
てけり此事をききて左近中将定家朝臣菩提院
三位中将のもとへ申つかはし侍ける
 もち月の比はたかはぬ空なれときえけむ雲のゆくゑかなしも/s364r
  返し
 紫の色ときくにそなくさむるきえけん空はかなしけれとも/s364l

http://kotenseki.nijl.ac.jp/biblio/100190287/viewer/364

1)
底本「或本十六日云々」と傍注。
2)
藤原定家
3)
藤原公衡


text/chomonju/s_chomonju465.txt · 最終更新: 2020/08/06 19:19 by Satoshi Nakagawa